立皇嗣宣明の儀で天皇、皇后両陛下の前でおことばを述べられる皇嗣秋篠宮さま=皇居・宮殿「松の間」で2020年11月8日午前11時8分(代表撮影)
判決後の報告集会で喜ぶ原告ら=広島市中区で2020年7月29日午後4時10分、山田尚弘撮影
「ネット・ゲーム依存症対策条例」案は香川県議会で賛成多数で可決された。反対の議員は着席している=高松市番町の香川県議会で2020年3月18日、金志尚撮影
<1面からつづく>
■言葉で知る
黒い雨
第二次世界大戦が終わってから75年をむかえた2020年、戦争の被害者にようやく光がさしこみました。1945年8月6日にアメリカ軍が広島へ原爆を投下した直後、放射性物質を含む「黒い雨」が降りました。国は爆心地の北西側に大雨が降ったとされる戦後の調査に基づき、一定の区域の中にいた人を支援してきました。
この区域の外で「黒い雨」を浴びて健康被害を受けたのに、支援が受けられないのはおかしいとして、広島県内の84人が国と広島市、広島県を相手に裁判を起こしていました。広島地方裁判所は7月29日、全員を被爆者と認める判決を言いわたしました。援護対象区域の外にいて、黒い雨にあった人を被爆者と認めた司法判断は初めてです。
広島市と広島県は裁判を終わらせようとしましたが、国側は8月、十分な科学的根拠がないとして、広島高等裁判所に控訴して裁判を続けました。国は裁判とは別に専門家の組織をつくり、これまでの区域の見直しを検討しています。解決を長引かせる国の姿勢に、裁判を起こした原告たちは「死ぬのを待っているのか」と怒っています。
■数字で読む
1日60分 香川県でゲームに目安
香川県で3月、子どもがインターネットやゲームに依存するのを防ぐことを目的にした「ネット・ゲーム依存症対策条例」ができました。全国で初めての条例です。
条例では家庭内で守るルールの目安として、18歳未満のゲーム時間は1日60分(休日は90分)まで▽小中学生以下は午後9時、高校生などは同10時以降、スマートフォンなどの使用をひかえる――の2点を示し、子どもが守るよう保護者に求めています。罰則はありません。
世界保健機関(WHO)は2019年、ゲームに熱中して日常生活にさしさわりが出るような状態を「ゲーム障害」としました。香川県の条例を評価する声がある一方で、自分のことは自分で決めるべきだとして批判する声もあります。
■顔
秋篠宮さま 皇位継承1位を示す
秋篠宮さま(55)が皇位継承順位1位の「皇嗣」になられたことを国内外に示す「立皇嗣の礼」が11月8日に皇居・宮殿「松の間」で行われました。立皇嗣の礼はもともと4月19日に予定されていましたが、新型コロナウイルスの感染が広がったため延期されていました。
天皇陛下(60)は昨年5月に上皇さま(87)の退位にともなって即位し、元号が「平成」から「令和」に変わりました。立皇嗣の礼が終わったことで、上皇さまの退位から続いた皇位継承にともなう一連の国の儀式は全て終わりました。
中心儀式の「立皇嗣宣明の儀」では、伝統的な装束姿の天皇陛下が「文仁親王(秋篠宮さま)が皇嗣であることを、広く内外に宣明します」と宣言。秋篠宮さまは「皇嗣としての責務に深く思いをいたし、務めを果たしてまいりたく存じます」と決意を述べました。
皇位を継ぐ資格があるのは、継承順位1位で天皇陛下の弟の秋篠宮さま、2位で秋篠宮さまの長男悠仁さま(14)、3位で上皇さまの弟の常陸宮さま(85)の3人だけです。今の法律では、女性が天皇につくことが認められていないことから、安定的な皇位の継承が課題になっています。