日本記録を更新し日本選手1位でフィニッシュする大迫傑=東京都千代田区で2020年3月1日、喜屋武真之介撮影
選手宣誓する花咲徳栄の井上朋也主将(左)と大分商の川瀬堅斗主将=阪神甲子園球場で2020年8月10日、久保玲撮影
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■言葉で知る
大坂なおみ選手「私はアスリートである前に一人の黒人女性です」
女子テニスの大坂なおみ選手(23)は9月12日、テニスの4大大会である全アメリカ(全米)オープンの女子シングルスで2年ぶり2回目の優勝を果たしました。ハイチ出身の父と日本人の母の間に大阪市で生まれた大坂選手は、黒人への人種差別に抗議する姿勢が注目されました。
アメリカでは、5月に白人警官の暴行で黒人男性のジョージ・フロイドさんが亡くなった事件などが起き、黒人差別に反対する運動が盛り上がりました。スローガンは「ブラック・ライブズ・マター」(BLM、黒人の命は大事だ)です。
大坂選手は、黒人男性が警官に銃撃された事件に抗議し、全米オープン直前の大会を棄権すると表明。ツイッターに「私はアスリートである前に一人の黒人女性です。私のプレーを見てもらうよりももっと注目すべき重要なことがある」とつづりました。試合は1日延期され、棄権を取りやめました。
全米オープンでも決勝までの7試合で、白人警官らに殺された黒人の被害者の名前が一人ずつ書かれたマスクを用意し、試合ごとに着けかえて入場しました。
優勝直後のインタビューでマスクに込めた思いを聞かれ、「あなたが受け止めたメッセージは何でしたか?」と問い返して大きな反響を呼びました。
■数字で読む
2時間5分29秒 大迫選手が日本新記録
3月1日に行われた東京マラソンで、大迫傑選手(29)が2時間5分29秒の日本新記録をマークして4位となりました∥写真。自分が2018年10月のシカゴ・マラソンで出した日本記録を21秒更新しました。東京マラソンは、東京オリンピック(五輪)の男子代表選考会も兼ねていて、最終選考会までに大迫選手を上回る選手が出なかったため、3人目の代表に決まりました。
東京五輪のマラソンの代表枠は男女各3人。19年9月に行われた「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」で2位までに入った選手が五輪代表になりましたが、大迫選手は3位でした。その後、ケニアで合宿するなどして走り込み、再挑戦の舞台で五輪への切符をつかみ取りました。
■言葉で知る
交流試合 大会中止も甲子園でプレー
部活動にはげむ高校生たちも全国大会が相次いで中止になり、肩を落としました。春の選抜高校野球大会に続き、夏の全国高校野球選手権大会も中止となりました。8月に開かれる予定だった全国高校総合体育大会(インターハイ)も中止になりました。
高校野球では8月、春のセンバツに出場予定だった32校が阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で交流試合を行いました。試合は各校1試合ずつでしたが、球児たちはあこがれのグラウンドの土を踏み、プレーできました。
国内のプロスポーツは、サッカーJリーグが2月26日から公式戦を中断し、6月27日に再開しました。プロ野球は約3か月遅れて6月19日に開幕。Jリーグとプロ野球は無観客から少しずつ観客を増やしましたが、コロナ前のように人を集められていません。