大阪市内の自宅で囲碁の勉強をする仲邑菫さん=家族提供
大森らん初段(右)とのプロデビュー戦に敗れた仲邑菫初段=大阪市北区で2019年4月22日、小松雄介撮影
2019年4月に囲碁の史上最年少棋士となった小学6年生の仲邑菫・初段(11)は、着実に実戦を重ねています。丑年生まれの仲邑さんは21年に「年女」となり、中学校への進学をひかえて転機をむかえています。そんな仲邑さんが毎小のメールインタビューに応じ、コロナ下でのすごし方や21年の目標を明かしてくれました。【長尾真希子】
仲邑さんは、日本棋院関西総本部(大阪市)に所属する仲邑信也・九段(47)と、アマ六段の幸さん(40)の一人娘です。仲邑さんもこれまで関西総本部に所属してきましたが、21年1月1日に東京本院に移籍します。小学校を卒業する3月までは大阪で暮らし、4月の中学校入学に合わせ、東京へ引っ越すそうです。仲邑さんは「年の近い棋士たちと一緒に勉強できることが楽しみです」と胸をおどらせています。
3歳7か月でアマチュア囲碁大会に出場し、7歳の時には家族そろって韓国・ソウルにわたって修業するなど、国内外で腕をみがいてきました。プロ2年目の20年の成績は21勝17敗で、19年の17勝を上回る活躍を見せました。20年について「中国、韓国、台湾に行く予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で行けなくなったのが残念でした」と振り返ります。
休校中はネット対局
休校中、仲邑さんは毎日、自宅で勉強していたほか、インターネットを使って海外の棋士と対局していたそうです。「コロナにより4月に手合(対局)がストップした時から、台湾の若手棋士と順番に、毎日対局させてもらいました。手合が再開した今も、週一で対局してもらっており、勉強になっています」。学校がない日は約9時間、囲碁の勉強をするそうです。
来年の目標は、とにかく「強くなりたい」の一言。「いつかタイトルを取りたいと思っていますが、何をとか、何歳までに、というのは考えていません。まずは二段に昇段したいです」。囲碁の魅力については、「囲碁は難しく見えますが、やってみると簡単で、とてもおもしろいゲームです。たくさんの小学生に、囲碁を知ってもらって、挑戦してみてほしいです」と教えてくれました。=2面につづく
プロフィル
2009年3月2日生まれ、大阪府出身。19年4月、日本棋院が才能の見込まれる小学生を特例でプロにする「英才特別採用推薦棋士」第1号になりました。10歳0か月でプロ棋士になったのは、日本棋院に所属する棋士の最年少記録です。