毎小に「ひらめきラボ」を連載している謎解きクリエーターの松丸亮吾さんは、小さいころから大好きだった謎解きを仕事にし、ブームを引っ張っています。今いきている中学時代の経験、謎解き作りのように楽しく取り組む工夫をしてきた勉強方法などを聞きました。【田嶋夏希、写真・長谷川直亮】
松丸さんは中学受験を経て、麻布中学校に進学しました。入学を控え、新しい友達や部活、いろいろなことに挑戦することを楽しみにしていました。中学で始まる数学もその一つです。「自分で問題を作るのが好きで、謎解きより先に算数にはまったので、数学にグレードアップしたらもっとおもしろくなるんじゃないか」と期待していたそうです。保護者からいろいろなことが与えられていた環境から、中学生は自分の手でやりたいことをつきつめられるようになる時期といいます。
記録して達成感
毎年多くの生徒が東京大学に進学する学校にいて、松丸さんも自然と東大を意識するようになりました。勉強はゲームのような、目標をクリアすると報酬がもらえる仕組みを自分で作り、楽しみながら続けられる方法を考えたそうです。「ゲームは楽しい理由がはっきりしています。ミッションがあって、クリアすると目に見えて達成感があります。ただ参考書を解くのは報酬がないので続かないと思い、数学の問題を10ページ進めたらゲームを1時間やっていいとか、自分でやることと報酬を決めていました」
勉強した時間、参考書、ページ数をアプリに記録し、勉強した証しを目に見える形で残してもいました。1週間で25時間勉強したという結果を見て「すごい! 丸1日以上勉強してるじゃん、絶対頭よくなってる」という達成感を得ていたそうです。
苦手への向かい方
苦手分野は陣取りゲームのように取り組みました。大きい紙をエリアに分けて、苦手を書き込みます。数学のある単元がちょっとだけ苦手なら、小さいマスに書き込みます。英語ですごく苦手な単元があったら大きいマスに書き込むそうです。勉強して分かったらそのマスを塗ります。
「苦手なものほど埋まるときの喜びが大きく、そうすると苦手に向かえるんですよ」。自分の部屋に張って、世界地図を埋めるように色を塗っていきました。「『全部塗れたら中学3年生の勉強はおしまい』のように、目に見えて進み具合が分かるようにするのはおすすめですね」=2面につづく
プロフィル
1995年生まれ、千葉県出身。麻布中学・高校から東京大学に進学。東大の謎解き制作サークルの代表として謎解きブームを仕掛ける。謎解きクリエーター会社「RIDDLER」の代表取締役を務め、テレビ出演やドラマの脚本、トリック監修など幅広く活躍している。