東日本大震災10年

「あの日」に学ぶ 理科/上(その2止) ちっぽけな自分知って 大木聖子・慶応大学准教授

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大木聖子・慶応大准教授

 =1面からつづく

 地球ちきゅう視点してんでみると、地震じしんは「地球ちきゅうのくしゃみ」ほどのことで、自然現象しぜんげんしょうひとつ。人間にんげんにいじわるするつもりでもなく、地球ちきゅう地球ちきゅうなりにきている。でもわたしたちの社会しゃかいよわ部分ぶぶんがあれば、おおきな災害さいがいになるのでいっしょにきていく方法ほうほうかんがえるしかありません。

 おさないころ、アリをにのせてあるいていると、ははから「アリはうえにのっていることにづいているかな」といかけられ、自分じぶんうえからるようなはじめての感覚かんかくおぼえました。アリはみぎすすんでも、わたしっすぐすすんでいることにづいていない。にぎりしめればんでしまうこともわからない。地球ちきゅうわたし関係かんけいおなじで、自分じぶんちいさな存在そんざいなのだとりました。

 ただ、アリとちがうのは、人間にんげん自分じぶんたちがのる地球ちきゅうについてることができるということ。つぎ行動こうどう予測よそくできなくても、現象げんしょうることができます。

 もともとものきで、中学生ちゅうがくせいときははにすすめてもらった、地震学じしんがくしゃ島村英紀しまむらひできさんのほん教室きょうしつではおしえない地球ちきゅうのはなし」をみ「地球ちきゅうものなんだ」ともっとりたくなりました。高校生こうこうせいとききた阪神大震災はんしんだいしんさいをきっかけに、「おなじことがかえされないように」と地震じしん学者がくしゃこころざしましたが、その災害さいがいで「ただ地球ちきゅう地震じしん)をるだけではひといのちすくえない」とおもりました。

 10ねんまえ震災しんさいきたとき勤務きんむしていた東京大学地震研究所とうきょうだいがくじしんけんきゅうじょ津波つなみ映像えいぞうをみて、つよ責任せきにんかんじました。人々ひとびとまいとし震災しんさい命日めいにちの3がつ11にち発生はっせい時刻じこく午後ごご46ぷんもくとうをしますが、そのときくなったひとはほとんどいなくて、おおくはその津波つなみくなっている。地震じしんはいつこるか予知よちできないけれど、なにこるか理解りかいし、つぎるべき行動こうどううつせれば、いのちまもることができる。そんなおもいから、いま防災ぼうさい教育きょういくちかられています。

 地震じしん情報じょうほうるのは大変たいへんだから、身一みひとつでわかるように、ゆれのながさとマグニチュード(M)の目安めやすつたえています。教室きょうしつっていられない地震じしんならば震度しんど以上いじょうで、ゆれが10びょうほどならM7。1ぷんならM8、3ぷんならM9です。絶対ぜったいではないことを学者がくしゃがいうのは勇気ゆうきがいることですが、専門せんもんてきただしさよりもいのちまもほう大切たいせつです。

 みなさん、地球ちきゅう自分じぶんの2ふたりきりでかんがえてみてください。

 地球ちきゅう自分じぶんおおきさをおもえがけば、いかに自分じぶんがちっぽけかづくはず。地球ちきゅうきみのことを全然ぜんぜんかんがえてくれていないけれど、自然しぜんめぐみをいつもくれる。地球ちきゅうといっしょにきていることがかるはずです。


プロフィル

 1978ねんまれ、東京都とうきょうと出身しゅっしん北海道大学ほっかいどうだいがく理学部りがくぶ地球ちきゅう惑星科学わくせいかがく卒業そつぎょうし、東京大学とうきょうだいがく大学院だいがくいん地球ちきゅう惑星科学わくせいかがく専攻せんこう博士号はくしごう理学りがく)を取得しゅとく東大とうだい地震じしん研究所けんきゅうじょ助教じょきょうなどをへて、2013ねんがつから現職げんしょく専門せんもん地震学じしんがく防災教育ぼうさいきょういく著書ちょしょに「地球ちきゅうこえみみをすませて」(くもん出版しゅっぱん)など。

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