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子ども向けの本を出版した作家さんたちに、創作の背景や自身の子ども時代について聞きます。

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村上(むらかみ)しいこさん=本人提供 拡大
村上(むらかみ)しいこさん=本人提供

希望きぼうかならずある 村上むらかみしいこさん

 児童文学作家じどうぶんがくさっか村上むらかみしいこさん(51)の新作しんさく「みつばちとしょうねん」は、中学ちゅうがくねんしょうねん雅也まさや主人公しゅじんこうです。雅也まさや夏休なつやすみに養蜂ようほうじょういとなむおじさんがいる北海道ほっかいどうきます。ファミリーホーム「きた太陽たいよう」で寝泊ねとまりし、さまざまな事情じじょうかかえたどもたちや自然しぜんとふれあうことで成長せいちょうしていきます。村上むらかみさんに作品さくひんちなどについてきました。【長尾ながお真希子まきこ

 ――みつばちを題材だいざいにしようとおもったのは、どうしてですか。

 村上むらかみさん 最近さいきんした古民家こみんかちかくにハチミツさん(三重県松阪市みえけんまつさかし川北かわきた養蜂ようほうえん今回こんかい村上むらかみさんの写真しゃしん撮影さつえい場所ばしょ)があったんです。家族かぞくでハチとともにはないているきた移動いどうし、ハチミツを採取さいしゅして、販売はんばいしているおみせで、「おもしろそうだな」と。「いつか物語ものがたりにしたい」とアイデアをあたためていたところ、編集者へんしゅうしゃになって(わらい)。あわててなんげつにもわたって川北かわきた養蜂ようほうえん取材しゅざいをさせていただきました。いろいろなえんがつながってけた作品さくひんです。

 ――作品さくひんには、発達障害はったつしょうがい育児放棄いくじほうきなど、さまざまな問題もんだいかかえるどもたちが登場とうじょうしますね。

 村上むらかみさん きょねんから児童養護施設じどうようごしせつあと生活せいかつ支援しえんするためのNPO法人ほうじんかかわらせていただいて、どんな環境かんきょうにいるたちにも「希望きぼうかならずある」というメッセージをつたえられたらとおもっていました。発達障害はったつしょうがい主人公しゅじんこうも、居心地いごこち場所ばしょひとつけ、まえいてあるくようになりました。

 ――「普通ふつうってなに?」が全体ぜんたいのテーマになっていますね。

 村上むらかみさん どもたちを観察かんさつしてみると、大人おとな周囲しゅういだけでなく、ども同士どうしでもをつかっていて「きにくそうだ」とかんじました。

 ――「きづらさ」をかかえているどもたちにメッセージをおねがいします。

 村上むらかみさん 作品さくひん登場とうじょうするどもたちにとって、自分じぶん気持きもちを解放かいほうできる場所ばしょが「きた太陽たいよう」。うつむいたままでは、まえすすめない。そんなときは、まって、自分じぶんれ、つつんでくれる場所ばしょひとつけるとそれがちからとなり、まえすすめるようになります。みなさんにもそんな場所ばしょひとつけてほしいです。

 ――村上むらかみさんにとって、ほんとはどういうものですか。

 村上むらかみさん こころのよりどころです。わたしどものころ、ほんしか味方みかたがおらず、自分じぶん気持きもちを解放かいほうできるものは、物語ものがたり世界せかいしかなかった。つらいことがあったときに、このほんをふとってもらえたら。そんな作品さくひんをこれからもいていきたいです。


☆みつばちと少(しょう)年(ねん)(村上(むらかみ)しいこ・著(ちょ)/高山(たかやま)裕子(ゆうこ)・絵(え)/講談社(こうだんしゃ)/1540円(えん)) 拡大
☆みつばちと少(しょう)年(ねん)(村上(むらかみ)しいこ・著(ちょ)/高山(たかやま)裕子(ゆうこ)・絵(え)/講談社(こうだんしゃ)/1540円(えん))

 ☆みつばちとしょうねん村上むらかみしいこ・ちょ高山たかやま裕子ゆうこ講談社こうだんしゃ/1540えん

 人付ひとづいが苦手にがてでクラスになじめない中学ちゅうがくねん雅也まさやは、夏休なつやすみを北海道ほっかいどうごすことに。さまざまな事情じじょうかかえる施設しせつどもたちとの出会であいや養蜂ようほう手伝てつだい、イカめしコンテストへの出場しゅつじょうなどをとおして、雅也まさやおおきく成長せいちょうしていきます。


 ■プロフィル■

 1969ねんまれ、三重県出身みえけんしゅっしん。2003ねんに「かめきちのおまかせ自由研究じゆうけんきゅう」で日本児童文学者協会新人賞にほんじどうぶんがくしゃきょうかいしんじんしょう受賞じゅしょう、「うたうとはちいさないのちひろいあげ」で野間児童文芸賞のまじどうぶんげいしょう受賞じゅしょうしました。

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