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文化 かこさん残した戦争 絵本に

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「秋(あき)」について話(はな)すかこさんの長女(ちょうじょ)、鈴木(すずき)万里(まり)さん 拡大
「秋(あき)」について話(はな)すかこさんの長女(ちょうじょ)、鈴木(すずき)万里(まり)さん

 「からすのパンやさん」や「だるまちゃんとてんぐちゃん」などでられ、2018ねんに92さいくなった絵本作家えほんさっかのかこさとしさんが、自身じしん戦争体験せんそうたいけんえがいた作品さくひんつかりました。この作品さくひん先月せんげつ絵本えほんあき」として出版しゅっぱんされました。戦争せんそうえがいたかこさんの絵本えほんはじめてです。

 作品さくひんつかったのは、昨年さくねんはるでした。かこさんの長女ちょうじょ鈴木すずき万里まりさん(64)がふる作品さくひん整理せいりしていたところ、「あき」という題名だいめい手描てがきの紙芝居かみしばいつけました。

 表紙ひょうしには、水色みずいろ、ピンク、くろの3しょくえがかれた「あき」の文字もじ戦争せんそうはげしさをす、1944ねんあきのようすがえがかれていました。

ちていく飛行士ひこうし

 かこさんは18さい高校こうこう2年生ねんせい学校がっこう授業じゅぎょうはなくなり、勤労動員きんろうどういんとして兵器工場へいきこうじょうはたら毎日まいにちおくっていました。もの不足ふそくしてカボチャをつくったこと、盲腸もうちょう手術しゅじゅつをしたこと、お医者いしゃさんが戦争せんそうってしまったことがえがかれています。そして、あおくすみきった秋空あきぞらに、日本軍にほんぐん戦闘機せんとうき墜落ついらくし、落下傘らっかさん(パラシュート)がひらかずちていく飛行士ひこうし姿すがたたりにしました。「こんなあきなんかないほうがいい」と戦争せんそうたいしていかりがめられています。

 万里まりさんは「盲腸もうちょう手術しゅじゅつやカボチャのはなしいていましたが、落下傘らっかさんはなし一度いちどいたことがありませんでした」とはなします。

 かこさんは航空こうくう士官しかんにあこがれていましたが、視力しりょくわる断念だんねんしました。「まえひとくなったかなしみと、自分じぶんがなりたいものの結末けつまつってしまった二重にじゅうかなしみがあったのではないでしょうか。自分じぶんかんがえも一緒いっしょにたたきつぶされたのです。だからながあいだかたれなかったのかもしれません」

 紙芝居かみしばいは53ねんから57ねんにかけて制作せいさくされました。「はじめたのは、川崎かわさきでセツルメント活動かつどう工場地帯こうじょうちたいどもたちに勉強べんきょうおしえたり、いたりあそんだりするボランティア)を開始かいしした翌年よくねんどもたちといながら、のこったいのちをかけてやるべきことがあるとはげんでいた時期じきです」

 かこさんの戦争せんそう体験たいけんはエッセーでいていますが、一冊いっさつ絵本えほんとなるのははじめてです。万里まりさんは「戦争せんそう直接ちょくせつひとすくなくなってきました。戦争せんそうがどんなものか想像そうぞうするがかりになってほしい」とねがっています。【篠口しのぐち純子じゅんこ

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