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「避難」の二つの意味

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防災広場(ぼうさいひろば) 山口県防府市(やまぐちけんほうふし)に2020年(ねん)11月(がつ)、大型(おおがた)遊具(ゆうぐ)施設(しせつ)が災害時(さいがいじ)の避難場所(ひなんばしょ)となる新築地町(しんつきじちょう)防災(ぼうさい)広場(ひろば)(メバル公園(こうえん))が整備(せいび)されました。魚(さかな)のメバルをイメージした高(たか)さ11㍍の大型(おおがた)遊具(ゆうぐ)は、下(した)半分(はんぶん)にテントをはりめぐらすことで、雨風(あめかぜ)をしのげる避難(ひなん)シェルターになります 拡大
防災広場(ぼうさいひろば) 山口県防府市(やまぐちけんほうふし)に2020年(ねん)11月(がつ)、大型(おおがた)遊具(ゆうぐ)施設(しせつ)が災害時(さいがいじ)の避難場所(ひなんばしょ)となる新築地町(しんつきじちょう)防災(ぼうさい)広場(ひろば)(メバル公園(こうえん))が整備(せいび)されました。魚(さかな)のメバルをイメージした高(たか)さ11㍍の大型(おおがた)遊具(ゆうぐ)は、下(した)半分(はんぶん)にテントをはりめぐらすことで、雨風(あめかぜ)をしのげる避難(ひなん)シェルターになります

げること」と「かりらし」

 「避難訓練ひなんくんれん」や「避難指示ひなんしじ」など、「避難ひなん」という言葉ことばいたことがあるとおもいます。災害さいがい防災ぼうさい関係かんけいでは、「避難ひなん」には「げること」と「かりらし」というふたつの意味いみがあります。発音はつおんおなじで、意味いみことなる同音異義語どうおんいぎごたとえば、期間きかん機関きかん)というのはありますが、いわば同音どうおんどう異義いぎです。

 ◆「避難ひなん」の意味いみ

 (1)げること:なんける、いのちをまもる、緊急避難きんきゅうひなん

 (2)かりらし:災害さいがいむところをうしなって(めなくなって)いえ確保かくほするまでの生活せいかつ生活せいかつ避難ひなん避難ひなん生活せいかつ

 英語えいごでは、それぞれまったくちが単語たんごになります。「げること」は「evacuationイバキュエーション」、「かりらし」は「shelteringシェルタリング」です。日本語にほんごではおなじ「避難ひなん」という単語たんごなので、混乱こんらんしてしまいます。

災害さいがいによってわる緊急避難きんきゅうひなん

 ふたつの避難ひなんについて説明せつめいします。

波避難(つなみひなん)タワー 静岡県御前崎市(しずおかけんおまえざきし)に建(た)つ高(たか)さ12㍍の津波避難(つなみひなん)タワー 拡大
波避難(つなみひなん)タワー 静岡県御前崎市(しずおかけんおまえざきし)に建(た)つ高(たか)さ12㍍の津波避難(つなみひなん)タワー

 げること、緊急避難きんきゅうひなんとしての「避難ひなん」は、災害さいがい種類しゅるいによって「なんける場所ばしょ」がわります。おおきくけて「地震じしん火災かさい」と「洪水こうずい津波つなみ」、「土砂災害どしゃさいがい」の3種類しゅるいです。

津波避難(つなみひなん)タワー 宮城県仙台市(みやぎけんせんだいし)に整備(せいび)された津波避難(つなみひなん)タワー 拡大
津波避難(つなみひなん)タワー 宮城県仙台市(みやぎけんせんだいし)に整備(せいび)された津波避難(つなみひなん)タワー

 「地震じしん火災かさい」のさいは、公園こうえんなどの「ひろ場所ばしょく」、「洪水こうずい津波つなみ」では高台たかだいたかところにある建物たてものなど「たか場所ばしょく」、「土砂災害どしゃさいがい」は「やまからはなれる」という、いずれも「危険きけんなもの」からとおざかることになります。

 これら災害さいがいごとの緊急避難きんきゅうひなん要件ようけんたせば、おのずと「学校がっこう体育館たいいくかんなどの避難所ひなんじょくことだけが緊急避難きんきゅうひなんでない」ことがよくかるとおもいます。

仮設住宅(かせつじゅうたく) 2016年(ねん)の熊本地震(くまもとじしん)で被災者(ひさいしゃ)向(む)けに提供(ていきょう)された仮設住宅(かせつじゅうたく) 拡大
仮設住宅(かせつじゅうたく) 2016年(ねん)の熊本地震(くまもとじしん)で被災者(ひさいしゃ)向(む)けに提供(ていきょう)された仮設住宅(かせつじゅうたく)

 もうひとつの「避難ひなん」である「かりらし」は、「生活せいかつ避難ひなん避難ひなん生活せいかつ)」とわれるもので、災害さいがい種類しゅるい関係かんけいなく、いわゆる「体育館たいいくかんでしばらくらす」「仮設住宅かせつじゅうたくらす」などがあります。

 筆者ひっしゃは、集団生活しゅうだんせいかつになる「学校がっこう体育館たいいくかんらす」はあまりおすすめしていません。プライバシーや衛生えいせい管理かんりなど、ふだんよりもをつけなければならないことがおおく、こころにもからだにもわる影響えいきょうることがあります。仮設住宅かせつじゅうたくむことができるまで、自分じぶん賃貸住宅ちんたいじゅうたくつけたり(みなし仮設住宅かせつじゅうたくといって、そのぶん家賃やちん行政ぎょうせいから補助ほじょされます)、親戚しんせき友人ゆうじんいえ一時いちじてきにお世話せわになったりすることも選択肢せんたくしひとつです。


佐藤さとう翔輔しょうすけ

 1982ねんまれ、新潟県にいがたけん出身しゅっしん東北大学とうほくだいがく災害さいがい科学かがく国際こくさい研究所けんきゅうじょ准教授じゅんきょうじゅ著書ちょしょに「災害さいがい伝承でんしょうだい研究けんきゅう」、共著きょうちょに「東日本大震災ひがしにほんだいしんさいからのスタート 災害さいがいかんがえる51のアプローチ」「わかる! む! 災害さいがい防災ぼうさい」などがあります。タイトルカット・青木あおきまい

次回じかいは5がつ7なのか一部地域いちぶちいきは5がつ8ようか)です。

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