古墳(こふん)案内(あんない)ツアーでは、皇帝(こうてい)らしく「上(うえ)から目線(めせん)」で、学芸員(がくげいいん)のように詳(くわ)しく解説(かいせつ)しています=八尾(やお)市立(しりつ)しおんじやま古墳(こふん)学習館(がくしゅうかん)提供(ていきょう)
古墳の魅力、余が伝えるぞ
鋭い目つきのこの方はハニワこうてい。ハニワ帝国の皇帝です。ハニワこうていはちょっとお怒りです。1600年ほど前に古墳や埴輪を作っておいて最近までずっとほったらかしにしてきた人間に、です。そんな人間に代わって、古墳や埴輪の魅力を伝えることで、ハニワが平和的に世界征服することを目指しているのだそうです。ハニワ帝国の本拠地は大阪府八尾市の心合寺山古墳とその学習館。見学者に自ら学芸員並みの解説をして地道にハニワ帝国の国民を増やしています。
心合寺山古墳は、古墳時代中期に作られた前方後円墳で、全長160メートルあり、この地域を治めていた王の墓と考えられています。ハニワこうていは蓋形埴輪がモデル。高貴な人にかけたかさの形をした埴輪で、頭の飾りの欠けた部分は首飾りに。耳のように見えるのは古代人の男性の髪形「みずら」です。「当時の人たちがどんな思いを込めて古墳や埴輪を作ったか考えると面白い、それを想像できるからこそ魅力的なのだ」と語り、世の中が平和になるよう見下ろしています。(井上梢)
八尾(やお)市立(しりつ)しおんじやま古墳(こふん)学習館(がくしゅうかん)提供(ていきょう)
「ハニワこうてい」データ
●性別:男
●年齢:約1600歳
●性格:こうていなのでエライ。礼儀にはうるさい
●座右の銘:温故知新
●弱点:割れた破片をすぐつけたがる考古学者が天敵