人工知能(AI)が、飛躍的に進化しています。これまで人間だけができた、自然な文章を書くことや美しい絵を描くことも可能になってきています。一方で不安の声も少なくありません。
AIは英語の「Artificial Intelligence」の略です。コンピューター上のプログラムを指すこともあれば、技術全般を指すこともあります。意味が広いため「人工的に作られた知能」くらいで理解されるのが一般的です。
短時間で自然な回答
最近、注目を集めているAIが、アメリカの会社が開発した「チャットGPT」です。チャットとは、コンピューター上で対話をすることです。人間が文章で問いかけると、チャットGPTが答えてくれます。
例えば、「日本の小学生の未来は明るいですか?」と問いかけると、日本の高い教育レベルなどに触れつつ、少子化などの課題を挙げました=写真1。回答時間は1分ほどでした。チャットGPTは、法律相談やプログラミング、小説や歌詞の創作などもこなせます。
希望に沿って描画
絵を描くAIも登場しています。写真2は「にじジャーニー」というサイトです。「仲良し 友達 肩を組む 背景は教室」など、絵に描いてほしい要素を並べると、その希望に沿って絵を生み出します。にじジャーニー以外にも「Novel AI」や「AIピカソ」など絵を描くAIは数多くあります。描いてほしい絵の参考となる他の絵をアップロードすれば、より自分の希望に近い絵を作ってくれるものもあります。
高品質が生む課題
とどまることを知らないAIの進化に、不安の声は少なくありません。
いくらAIが進化したとはいえ、いつも正しいとは限りません。にもかかわらず一見すると質が高いことから、信じ込む人が出る恐れがあります。導き出した答えが差別的など、人を傷つける可能性もあります。
またAIが生み出したモノを、自分で生み出したかのように振る舞う人が出てくることも予想されます。例えば「チャットGPT」の回答を、読書感想文の宿題でそのまま使うなどです。人間が書いたものと見分けづらく、不正がまかり通るかもしれません。
人間はAIとどう向き合うべきか。多くの課題が残されています。【長岡平助】