15歳のニュース ♯9月入学どう思う? 緊急アンケート 当事者の声を聞いてくれぃ! 賛否拮抗

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

 学校の休校が長期化してきたことを受け、5月2日号で9月入学について賛成か反対かを緊急アンケートしたところ、多くの回答が寄せられた。その数50以上。子どもからの回答について言えば、賛成25、反対30とほぼ拮抗きっこうしている。

「私たちの将来、大人が決めるな」

 現在、9月入学に関する意見は、主に政治家が発信している。「一番に学生の意見を聞くべきだ。私たちの将来まで大人に決められるなんてまっぴら」(岩手大学教育学部付属中学3年・飯塚いいつか梨琴りこさん)。編集部に寄せられたたくさんの回答からは、この意見のように「当事者である子どもの声こそ聞いてほしい」という強い思いがあふれていた。

学年の分断「現実的ではない」

 賛成、反対、それぞれについて表のような理由があがった。賛成については、勉強量の確保やグローバル対応、休校でなくなったイベントや部活の大会の復活を期待する声が多かった。一方、反対の理由で最も多かったのが「今の同級生と学年が分かれるのは絶対にイヤ」という「学年の分断」を心配する声だった。そこでこの点について文部科学省に取材した。

 文部科学省の担当者は9月入学について「まだ決まっていることは何もない」と前置きした上で、「現在の小中学生の同じ学年を分断するのは現実的ではない」と話した。もしも9月入学が実現した場合でも、今すでに学校に通っている子どもたちについては、「4月生まれから3月生まれまで」の学年のまとまりのままになりそう、という。この点は、ひとまず安心してよさそうだ。

 9月入学をめぐっては、毎日新聞が今月6日に行った大人への世論調査でも、「賛成」45%、「反対」30%、「わからない」24%と回答が割れた。編集部に寄せられた親世代からの意見では、「世の中が混沌こんとんとしている中でこの議論をしてもよいのか」というように慎重しんちょうな声が多かった。

 文部科学省は現在、9月入学を行った場合のさまざまな選択肢せんたくしを具体的にシミュレーションしている。政府全体で6月上旬じょうじゅんまでに論点や課題を整理し、その後9月入学を導入するかどうか、方針を決める予定だ。


 ■賛成×反対

 ◆賛成

受験生の存在忘れないで

 高校への推薦すいせん合格を得るために、部活を頑張がんばっている友達がたくさんいますが、試合や大会がなくなって、みんな途方とほうに暮れています。9月入学になれば、大会や試合ができるはず。この1年に将来をかけている子どもたちがいるのを忘れないでほしいです。

(熊本・玉名中3年・細川ほそかわ佳恵かえさん)

【主な賛成意見】

【グローバル対応】

・海外への留学がしやすくなる(東京・渋谷教育学園渋谷中1年・大友おおとも万里子まりこさん)

・これから日本がグローバル化していく上で必要(広島大学付属東雲小3年・出雲いずも喜久きくさん)

【受験】

・仕切り直して、受験へのラストスパートをかけることができる(東京・南中野中2年・斎藤さいとう万悠香まゆかさん)

・受験に向けて勉強する時間が長くなる(東京・つくし野小6年・前島まえじまはなさん)

・受験の時期にインフルエンザにかからずにすむ(東京・緑小6年・有薗ありぞの咲希さきさん)

【勉強】

・勉強のおくれを解消できる(東京・成蹊せいけい小6年・原島はらしまあやさん)

【部活・イベント】

・なくなった行事ができる(大阪市・育和小6年・辰巳たつみひかるさん)

・運動会や体育祭を暑くない時期に開催かいさいできる(佐賀・致遠館中3年・宮本みやもと朋実ともみさん

部活バドミントンの大会をやりたい(東京・亀有中3年・谷本たにもと奏太そうたさん)

【その他】

・今のままでは新しい学年に進級した実感がない(千葉・芝浦工業大学柏中2年・土橋どばし芙美ふみさん)

・小6なので、クラスみんなと過ごす時間を大切にしたい(長野・信州大学教育学部付属長野小6年・丸山まるやまあかさん)

 ◆反対

オンライン授業普及すべきだ

 私たちの学校はオンライン授業が始まっています。9月入学になったらもう1度同じ勉強をしないといけないし、さらに半年分の学費をはらわなければいけません。9月入学についての準備や国会で話し合いをしている時間があるのなら、オンライン授業の普及ふきゅうをすべきだと思います。(山梨英和高1年・山下やました詩織しおりさん)

【主な反対意見】

【学年の分断】

・友達と学年が分かれるかもしれないから(福岡・西南学院中1年・麻生あさお彩華あやかさん)

・今までの先輩や後輩と同じ学年になると過ごしづらい(静岡・富士宮第一中1年・小原おばら万侑まゆさん)

【受験】

・憧れの中学に入るために受験勉強を頑張っているのに、入学が半年遠くなる(北海道・緑丘小6年・野村美月のむらみづきさん)

【勉強】

・もともとは私たちの学習の遅れが問題。まずはそれを解決すべきだ(東京・緑野小5年・源川みなとがわあんさん)

【部活・イベント】

・大幅に変わる学校の行事日程についていけなくなる(東京・第十小5年・神田かんだひろあきさん)

【季節感】

・卒業や入学には桜が大切。日本は日本でいたらいい(東京・豊海小5年・すえざき柚花ゆずかさん)

・7月ごろが卒業式になると梅雨や台風と重なる(愛知・神丘中1年・北浦きたうらはるさん)

【その他】

・9月までに新型コロナウイルスの感染の広がりがおさまるかわからない(東京・国立学園小学校5年・滝口たきぐちかおるさん)

・この4~9月が空白になってしまう(埼玉・東中3年・細村ほそむらしおりさん)


 ■KeyWord

【ほぼ拮抗きっこう

 9月入学についての10代へのアンケートでは、他の調査でも賛否が拮抗している。エフエム東京の若者向けラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」が、無料通信アプリ「LINE」を使って主にリスナーらにアンケートした結果、賛成が53%、反対が47%だった。回答者は10代を中心に4万人近くに上り、関心の高さを示した。

がくねん分断ぶんだん

 文部科学省によると、現在学校に通っている子どもたちについては学年の分断はなさそうだが、まだ小学校に入学前の子どもたちについては、学年のまとまりを分ける可能性は「あるかもしれない」という。

 例えば現在の幼稚園ようちえん(保育園)年長の子どもたち全員と、年中のうち「4月から8月生まれまで」の子どもたちを、2021年9月にまとめて入学させる。これだと、2021年9月入学の新小学1年生は、「4月から翌年の8月生まれまで」となる。この次の学年から、「9月から8月生まれまで」にする…このパターンの可能性はありうるという。

購読のお申し込み

紙面ビューアーから「15歳のニュースデジタル」として1カ月たったの100円(税込み)で購読できます。タブロイド判4ページの週刊で、バックナンバーも約2カ月分が閲覧可能です。毎日小学生新聞の購読者には毎週土曜日に別刷りとして挟み込まれます。

申し込む

あわせて読みたい