15歳のニュース クラスに1人!? ヤングケアラー 埼玉県が高2調査

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 通学しながら家族の介護かいごや世話をする「ヤングケアラー」は、高校2年生の約25人に1人――。衝撃しょうげき的な調査結果を、埼玉県が25日発表した。県内の高校2年生約5万人を全員調査し、回答した4万8261人のうち1969人(4・1%)がヤングケアラーであるという。

 埼玉県は7~9月、県立、私立など計193校を通じて調査票を配布した。自治体による当事者調査は全国初とみられ、5万5772人という対象数も過去最大規模。

 ヤングケアラーと判明した1969人の内訳は、性別(無回答除く)が女1160人、男767人、その他36人。ケアの相手の36・9%が「祖父母やそう祖父母」で家族の状況じょうきょう(複数回答)は、病気626人▽高齢こうれいによる衰弱すいじゃく446人▽身体障害340人▽認知症にんちしょう288人――の順だ。ケアの内容(無回答除く)は食事の準備などといった家事が1143人のほか、見守りなど感情面のケア807人、買い物などの家庭管理638人と続く。ケアを始めた時期は中学生からが688人で最も多く、小学4~6年が395人、高校生になってからが383人、小学1~3年が238人など。

 無回答を除く4割が生活への影響えいきょうは「ない」と答えた一方、「孤独こどくを感じる」376人▽「ストレスを感じる」342人▽「勉強の時間が十分取れない」200人――のほか、「しっかり食べていない」「学校を休みがち」と一部に深刻な支障も出ていた。睡眠不足すいみんぶそくや体のだるさをうったえた生徒もいた。

 県の調査に応じたある生徒は父のケアを担っており、「将来が心配です。父を支えられるのは祖母と自分だけで、就職など、どう行動すべきか全く分かりません」と不安をかくさなかった。別のある生徒は中学2年からヤングケアラーで、介護のストレスからたおれた経験を明かした。

 これまで研究者が行った抽出ちゅうしゅつし)調査では、大阪府と埼玉県の高校生の約20人に1人がヤングケアラーと推計されていた。政府は今冬、全国調査に着手する。

4人に1人 相談相手いない

 ヤングケアラーの約3人に1人が家族を毎日ケアし、約4人に1人はなやみを話せる相手がいない実態もかんだ。毎日ケアをしている生徒は、1969人のうち696人(35.3%)で最多。平日のケア時間は約7割が2時間未満だが、4~6時間は95人、6~8時間は47人、8時間以上におよぶ生徒も30人いた。また、138人(7%)は1人で家族介護かいごを支えており、501人(25.4%)には相談相手もいなかった。悩みを話せる相手は父母や友人、きょうだいが中心で、「SNS上で出会った人」に相談する生徒も56人いた。

 希望するサポート(複数回答)では「相談できるスタッフや場所」316人(16%)▽「信頼しんらいして見守ってくれる大人」286人(14.5%)が目立った。「ケアのことを周りに言わないでくれと言われる人もいると思う」などの自由意見も寄せられた。


 ■KEY WORDS

 【ヤングケアラー】

 慢性まんせい的な病気や障害、精神的な問題などがある祖父母、両親、きょうだいなど身近な家族の介護かいご・世話をしている子ども。負担が過度になれば心身・学業や進路などに悪影響あくえいきょうが出るおそれがあるとされる。日本に公式な定義はないが、家族を介護する人を支援しえんする日本ケアラー連盟は「大人が担うようなケアの責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている18さい未満の子ども」と位置づけている。

 【全国ぜんこく調査ちょうさ

 政府は12月にも調査票を配布し、今年度末までに結果をまとめる予定。萩生田光一はぎうだこういち文部科学相は全国調査について、子どもたちから直接実態を聞き取ることになるという見通しを示している。当初、自治体の教育委員会を通じた学校への調査を想定していたが、「学校がヤングケアラーの存在を十分把握はあくできていない」と指摘してきを受け、子ども本人への調査が必要と判断して方針転換てんかんした。

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