15歳のニュース ヤングケアラー 国が初の支援策公表 家事支援と相談体制を充実

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 厚生労働省と文部科学省の共同プロジェクトチーム(PT)は17日、家族の世話や介護かいごをしている子どもたち「ヤングケアラー」の支援策を発表した。国がヤングケアラーの支援策をまとめるのは初めて。両省は、政府が今夏にも示す経済財政運営の指針「骨太の方針」に支援策を反映させ、早期に実施じっししたい考えだ。

 政府が4月に公表した中高生の実態調査では、幼いきょうだいの見守りや、親に代わって家事に追われる子どもの負担の状況じょうきょうが明らかになった。しかし、介護保険かいごほけん障害福祉ふくしなど、現在ある公的サービスの範囲はんいに入らないため、これまでその負担は見過ごされてきた。

 支援策では、家事に追われる子どもたちの家庭への家事支援サービスなどの新制度や、子どもが利用しやすいオンラインでの相談体制の整備などをんだ。こうした活動を行う民間の支援団体しえんだんたいと自治体の連携れんけいに補助金を出すことなどを想定しており、民間の力も活用して相談体制の充実を図る。

 また、子どもたちが「家族の世話は当然だ」と考え、負担の重さを自覚できず、SOSを出しにくいことも明らかになった。ヤングケアラーの早期発見に向け、ケアマネジャーや相談支援専門員、医療いりょうソーシャルワーカー、スクールソーシャルワーカーといった各分野の専門職への研修など、人材養成の強化も施策しさくの柱とした。さらに介護、福祉、医療いりょう、教育など多機関の情報共有のノウハウを盛り込んだマニュアルを作って連携をうながし、スムーズな支援につなげる。

 報告書には「子どもらしい暮らしができずにつらい思いをしているヤングケアラーにとって青春は一度きりであり、施策について、スピード感を持って取り組む」と記した。


「ヤングケアラー」PT報告書の主なポイント

・自治体による独自の実態調査を推進

介護かいご福祉ふくし医療いりょう、教育など各分野の専門職に研修を実施じっし多機関連携れんけい支援しえんマニュアルを策定

・SNSなどを活用した相談体制の整備

・幼いきょうだいのケアを担う子どもがいる家庭への家事支援サービスを検討

・2022~24年度をヤングケアラー認知度向上の集中取り組み期間とし、中高生の認知度5割を目指す


 ■KEYWORDS

【ヤングケアラー】

 病気や障害、精神的な問題などをかかえる家族について、介護かいごや世話をしている子どものこと。日本に公式な定義はなく、支援団体しえんだんたいは「大人が担うような責任を引き受け、家事や家族の介護、感情面のサポートなどを行っている18さい未満の子ども」と位置づけている。

 政府が4月に公表した実態調査では、公立中学2年生の5・7%(約17人に1人)、公立の全日制高校2年生の4・1%(約24人に1人)が「世話をしている家族がいる」と回答し、1学級に1~2人いる可能性がある。世話をする家族は「きょうだい」が最も多い。「自分の時間や勉強する時間がとれない」「睡眠すいみんが十分にとれない」「友人と遊べない」など、子どもならではの時間がうばわれ、自分のやりたいことを後回しにしている実態がりになった。

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