15歳のニュース 環境相・小泉進次郎さんに聴く/下 気候変動対策は成長のエンジン

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小泉進次郎(こいずみしんじろう)環境相 拡大
小泉進次郎(こいずみしんじろう)環境相

廃プラ リサイクル25%

 先週に続いて、環境問題かんきょうもんだいに関心のある読者から、小泉進次郎こいずみしんじろう環境相への質問や提言と、その回答です。「15さいのニュース」の読者は、リサイクルについての関心も高いようです。【長岡平助、石塚孝志】

製品、最小限に 斎藤香怜さいとうかれんさん 小6・兵庫県

 プラスチックは我が国では何%くらいがリサイクルされていますか。そもそもプラスチック製品を必要最小限にしぼるべきではないでしょうか。

海洋プラスチックごみ(手前中央)を材料に作られたインテリア雑貨 拡大
海洋プラスチックごみ(手前中央)を材料に作られたインテリア雑貨

 小泉環境相 すごいね、小学6年生のその子、大正解です。まず減らすよりも使わないこと。リサイクルの大原則であるリデュース、リユース、リサイクルの順番です。まず、減らすこと、これはしっかりやります。で、何%ですかという答えは25%です。日本の中のはいプラスチックのリサイクル率は25%。なので、まだまだ高めていかなければならないので、これは課題ですね。来年施行しこうされる予定のプラスチック資源循環じゅんかん促進そくしん法という法律ができた。日本で史上初のプラスチックという素材にあみをかける法律なので、世の中が大きく変わります。

生態系が心配 吉田よしだ拓真たくまさん  小4・東京都

 外来生物によって日本の生態系がくずれるのが心配です。

強い毒を持つ「ヒアリ」=環境省提供 拡大
強い毒を持つ「ヒアリ」=環境省提供

  生き物の関係って、ものすごく複雑かつ微妙びみょうなバランスの下で成り立っているので、本来日本にはいない生き物をその環境の中に入れると、もとの日本の種が絶滅ぜつめつしたり生きられない環境になってしまったりする。それを防がなければならない、というのがまさに外来生物に対する対応ですよね。なので基本的な考え方としては、1に入れない、2に捨てない、3に広げない、これを徹底てっていしてほしい。だからもしも仮にペットとか、そういった形で飼っているのであれば、ちゃんと飼いきること、捨てないことです。今、外来生物の中でリスクのあるものとして、環境省として力を入れているのはヒアリ。毒針を持つ危険なアリですから、日本に定着をしないように全力を挙げています。

定義の見直しを 瀬戸夏子せとなつこさん  高3・スイス

 リサイクルの定義にサーマルリサイクルを入れるべきでないと思います。

  これまでサーマルリサイクルを入れた形で資料が作られていたことがあり、ヨーロッパから、日本って燃やすこともリサイクルというのはおかしいという批判があったのは事実です。私は今国会で、もうサーマルリサイクルとは言いませんとはっきり言いました。これはリサイクルではなく熱回収ですよね。だけど、この子がスイスにいるから分かると思いますが、実はリサイクル率だけを見たら、ヨーロッパの先進的な国と遜色そんしょくないです。日本も正当な評価をされなければいけない。国会で明言したので、もう心配することはないよと伝えたい。

法成立、循環もっと 小林茉央こばやしまひろさん 小4・大阪府

 「プラスチック資源循環促進法」が成立しました。企業きぎょうにはもっとリサイクルを求め、製品もリサイクル代の分、高く売ればいいと思います。

  それをやりたい企業はいっぱいあると思う。それでも二の足をむのは、高くして売れなかったら企業には打撃だげきになるからです。ただ、リサイクルとか環境にいいことをしている企業に、ちゃんと投資家が目を向けるような新しい経済社会を作っていくことを、菅政権すがせいけんを挙げてやっています。もはや気候変動対策はコストではなく、成長のエンジンなんだと。世界はまさにそういう発想で動いているんですね。これが、小中学生のみなさんが社会に出るときには、今と比較ひかくにならないほど、経済の中核ちゅうかくになって、みんながどの企業に就職しようかなというときには、おそらく、それが一つの判断材料になると思いますね。


「15歳のニュース」読者にメッセージを

マイボトルを手に思いを語る小泉進次郎環境相=環境省で7月8日、梅村直承撮影 拡大
マイボトルを手に思いを語る小泉進次郎環境相=環境省で7月8日、梅村直承撮影

 15歳のときの私とはちがうなと。15歳の私はサーマルリサイクルという言葉を知らなかった。そして15歳の私はマイバッグという言葉もない世界に生きていた。そして野球部員だった私は水筒すいとうは使っていたけど、環境配慮はいりょの観点で水筒を使っていなかった。そして15歳のあのときに今ほどこんなに暑くなかった。そして今ほど一晩の雨で災害になるようなことは、そこまでなかった。だから間違まちがいなく環境は変わっていますよね。それを感じる今回の質問でした。(子どもたちに対して)たよりにしています。そのみんなが大人になったとき、ああ、あのときからやってくれてたおかげで今の持続可能な日本になっているんだと思ってもらえるように今全力をくしてがんばりたいと思います。


 ■KEYWORDS

 【リデュース、リユース、リサイクル】

 ごみを減らす「リデュース」、ものをり返し使う「リユース」、資源を再利用する「リサイクル」の、三つの英語の頭文字をとって「3Rスリーアール」と呼ばれる。

 【リサイクルりつは25%】

 一般社団法人いっぱんしゃだんほうじん「プラスチック循環じゅんかん利用協会」の2019年の資料では、はいプラスチック約851万トンのうち、リサイクルが約213万トンで約25%、サーマルリサイクル(熱回収)が約514万トンで約60%、未利用は約125万トンで約15%。

 【プラスチック資源しげん循環じゅんかん促進法そくしんほう

 プラスチックの資源循環対策に特化した初めての法律で、2022年度の施行しこうを目指している。努力義務として、企業きぎょうや消費者などにプラ製品はできるだけ長期間使用することや、過剰かじょう使用を抑制よくせいすることを求めている。例えば、使い捨てプラ使用削減さくげんのため、小売店や飲食店などの事業者には、プラ製スプーンやストローなどの提供方法の見直しを検討してもらう。

 【サーマルリサイクル】

 プラスチックごみを燃やして発電などに使うこと。しかし、この方法では石油を燃やすのと同じで、地球温暖化の原因となる二酸化炭素などの温室効果ガスを排出はいしゅつすることが指摘してきされている。

 【遜色そんしょくない】

 環境省かんきょうしょうのキャンペーン「プラスチック・スマート」の資料には、三菱みつびし総合研究所が作成した2016年の欧州おうしゅう各国のプラスチックリサイクル率が紹介しょうかいされ、ドイツが40%弱、フランスが20%強、英国が30%強となっている。

 【外来生物がいらいせいぶつ

 もともとすんでいなかった地域に、人間の活動によって持ちまれた生き物を指す。そのため、日本の他の地域から持ち込まれた生き物も外来生物になる。外国から日本に持ち込まれた生き物を「国外由来の外来生物」、日本の他の地域から持ち込まれた生き物を「国内由来の外来生物」として区別している。また、生態系や人の生命、農林水産業に被害ひがいおよぼす、または及ぼすおそれがある生き物を「特定外来生物」という。外来生物法に基づいて指定され、輸入や飼育、栽培さいばいを禁止している。アライグマやブラックバス、ブルーギル、ヒアリなど。

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