15歳のニュース 日中国交正常化50年 近年は関係悪化 改善の糸口は?

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
日中共同声明の調印後乾杯する田中角栄首相(右)と周恩来首相=人民大会堂で(代表撮影) 拡大
日中共同声明の調印後乾杯する田中角栄首相(右)と周恩来首相=人民大会堂で(代表撮影)

 日本と中国が国交を正常化させて、29日で50年をむかえる。歴史上、長く交流してきた両国だが、近年は東シナ海で活発に活動する中国が尖閣諸島せんかくしょとう(沖縄県)の領有権を主張したり、米国との関係を悪化させたりした影響えいきょうで、政治的対立が続いている。一方で経済や民間の交流の結びつきが強まるなか、関係改善の糸口は見つかるだろうか。

 10年前の2012年9月、政府が尖閣諸島を国有化すると、中国各地でデモが起き、日系スーパーなどがこわされた。この問題は現在も解決せず、21年に中国が尖閣周辺で領海侵入しんにゅうした日数は40日間で、過去最多だった13年の54日間に次ぐ多さとなった。

米中対立が影響

 さらに近年、問題となっているのが台湾たいわんに関する事案だ。「台湾は中国の一部」と主張する中国政府が、台湾への軍事圧力を強めている。中国に対抗たいこうする米国は、台湾との関係強化を進めており、今年8月にはペロシ下院議長が訪台した。現職の下院議長としては25年ぶりで、中国側はもう反発。中国軍は8月、台湾周辺で大規模な軍事演習を始め、ミサイルが日本の排他的経済水域はいたてきけいざいすいいき(EEZ)内に落ちる事態となった。

 日本は、同盟国である米国と行動を共にすることが多く、米中の対立が日中関係に影響をおよぼすことはけられない。19年の首脳会談で要請ようせいした習近平国家主席の国賓こくひん訪日も延期されたままだ。

それでも「重要」な関係

 こうした政治的な関係悪化は、日本人の対中感情にもかげを落とす。内閣府の今年の調査では、日中関係を良好と考えているとの回答が14.5%と、20年10月の前回調査から2.6ポイント減った。「中国に親しみを感じる」との回答も1.4ポイント減の20.6%にとどまった。

 それでも、中国との関係発展については78.7%(前回比0.5ポイント増)が重要ととらえていた。日本と中国の経済的な結びつきは強く、貿易の相手先として、日本にとって中国は1位、中国にとっても日本は米国に次いで2位。訪日外国人観光客(新型コロナウイルス拡大前)や日本で暮らす外国人、日本語を学ぶ外国人のいずれも中国人が最も多い。

 両国が信頼しんらいできるパートナーとして発展していくためには、今何が求められているのだろうか。


日中国交正常化50年までの主な出来事

1972年 田中角栄首相が訪中し、日中共同声明で日中国交正常化。「友好の証し」としてパンダが東京・上野動物園へ

  73年 日本が中国に、中国が日本に大使館を設置

  78年 日中平和友好条約締結ていけつ

  89年 天安門事件

  92年 天皇、皇后両陛下訪中

  98年 江沢民こうたくみん主席が中国国家元首として初訪日し、日中共同宣言

2007年 米国をいて中国が日本にとっての最大貿易相手国に

  08年 胡錦濤こきんとう国家主席が訪日し、日中共同声明に署名。北京夏季五輪開催かいさい

  12年 日本政府の尖閣諸島国有化せんかくしょとうこくゆうか。中国全土で大規模反日デモ

  14年 安倍晋三あべしんぞう首相と習近平しゅうきんぺい国家主席が北京で初会談

  18年 訪日外国人が3000万人を突破とっぱ。そのうち中国からは838万人でトップ

  19年 安倍首相がG20大阪サミットで初訪日した習主席と首脳会談

  22年 北京冬季五輪開催。日本は人権問題などをまえて政府高官を派遣はけんせず


 ■KEY WORDS

 【国交こっこう正常化せいじょうか

 1972年9月25日、当時の田中角栄首相が中国・北京を訪問し、中国の周恩来首相と数回にわたって会談、29日に「日本国政府と中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく政府の共同声明」(日中共同声明)に署名したことで国交が正常化した。国交を結ぶとは、国と国がたがいを主権国家と認め相手国に大使館を置いて外交官を駐在ちゅうざいさせることだ。日本は第二次大戦後、国交を持っていた台湾とは断交した。

あわせて読みたい

購読のお申し込み

紙面ビューアーから「15歳のニュースデジタル」として1カ月たったの100円(税込み)で購読できます。タブロイド判4ページの週刊で、バックナンバーも約2カ月分が閲覧可能です。毎日小学生新聞の購読者には毎週土曜日に別刷りとして挟み込まれます。

申し込む