特集 菅首相長男接待

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菅首相長男接待

総務省幹部が「東北新社」に勤める菅首相(当時)の長男から接待を受けていた問題。特別扱いの構図が浮かび上がりました。

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記者会見を終えて会見室を出る菅義偉首相(右)を見守る山田真貴子内閣広報官(当時)=首相官邸で2021年1月4日、竹内幹撮影
記者会見を終えて会見室を出る菅義偉首相(右)を見守る山田真貴子内閣広報官(当時)=首相官邸で2021年1月4日、竹内幹撮影

 総務省の幹部4人が2020年10~12月、衛星放送やテレビ番組制作などを手がける東北新社の幹部と無届けで会食し、手土産やタクシーチケットを受け取っていたことが明らかになった。会食には同社社員である菅義偉首相の長男が同席していた。

 総務省は放送事業を所管。同社のような利害関係者から接待を受けるのは国家公務員倫理規程に違反する可能性が高い。一方、会社側には首相の長男という立場を利用して、事業の許認可などを有利に進めようとしたのではないかという疑念がある。

国家公務員倫理規程

 国民の不信を招く行為を禁止した「国家公務員倫理法」に基づく政令。省庁の許認可を受ける事業者を「利害関係者」と定め、国家公務員に対し、接待を受けたり、金品を受け取ったりする行為を禁止している。省庁は違反行為が疑われた時は、国家公務員倫理審査会に報告。同審査会の承認を得て、職員を懲戒処分する。

内閣広報官も7.4万円飲食接待

 総務省は22日、東北新社関係者と会食した職員は計13人で、延べ39件に上るとの調査結果を衆院予算委員会理事会に報告した。飲食代、土産代、タクシー代の総額は60万8307円だった。そのうち山田真貴子内閣広報官は総務省の総務審議官だった2019年11月、1人あたりの飲食代7万4203円の接待を受けていた。

菅義偉首相の長男が勤める東北新社を巡る接待問題の対応
菅義偉首相の長男が勤める東北新社を巡る接待問題の対応

 総務省は24日、東北新社関係者と会食した職員計13人のうち11人を国家公務員倫理法に基づく倫理規程に違反したとして処分した。谷脇康彦、吉田真人両総務審議官ら9人を減給や戒告の懲戒処分とし、残る2人を訓告などの処分とした。13人のうち、既に総務省を退職し、同省の処分対象にならない山田真貴子内閣広報官は給与1カ月の10分の6を自主返納する。

 山田氏は25日の衆院予算委で「公務員の信用を損なうことになったことを深く反省している」と謝罪したが、辞任する考えはないと強調。首相も山田氏を続投させる考えを示していた。

 しかし、山田氏は体調不良の理由で28日に入院。3月1日に辞職願を提出し、政府は持ち回りの閣議で辞任を認めた。山田氏は同日の予算委に出席する予定だったが欠席した。

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