
「世界で最も権威のある賞」といわれるノーベル賞。今年はどんな研究・活動に贈られるでしょうか。
- ピックアップ
- 新着記事
- 基礎からわかる
- 日程・過去の受賞者
-
ノーベル賞受賞・故赤崎勇さん 出身地に功績碑建立 南九州 /鹿児島
2022/4/20 06:33 -
21年ノーベル賞受賞、真鍋氏 「好きなことで世界へ」 愛媛の母校に寄付、メッセージも /愛媛
2022/4/3 05:38 -
ノーベル賞 3年ぶり晩さん会
2022/3/23 02:06 -
真鍋氏に県民賞授与 県、ノーベル賞受賞で意向 /愛媛
2021/12/23 06:05 -
ノーベル平和賞、2氏授賞式 「攻撃受けるほど決意固く」比メディア代表
2021/12/12 05:09 -
攻撃受けるほど決意固く ノーベル平和賞 2記者授賞式
2021/12/12 05:09 -
権力と対峙、決意新た ノーベル平和賞、2記者授賞式
2021/12/11 15:20 -
弾圧犠牲記者に黙とう ノーベル平和賞・ムラトフ氏呼びかけ 授賞式
2021/12/11 15:13

Q もうすぐノーベル賞の受賞者が決まるって聞いたよ。
記者 4日に医学生理学賞、5日に物理学賞、6日に化学賞、7日に文学賞、8日に平和賞、11日に経済学賞が発表されます。
Q 「ノーベル」というのは人の名前なんでしょ?
A はい。ダイナマイトの開発で富(とみ)を築いたスウェーデンの化学者、アルフレッド・ノーベル(1833~96年)の遺言に基づいて創設されました。遺言では「ノーベル財団」に託された3100万スウェーデンクローナ、現在の日本円だと約230億円相当の遺産の運用益を「人類のために、最大の利益をもたらした人たちに賞の形で毎年分配する」とされています。受賞者の国籍は問いません。
Q 賞には、いろんな分野があるんだね。
A ノーベルは遺言で「物理学」「化学」「医学または生理学」「文学」「平和」の五つの分野を記しました。
受賞者にふさわしいのは、「物理学」では最も重要な発見または発明を行った人、「化学」は最も重要な化学物質の発見または改良を行った人、「医学または生理学」は最も重要な発見をした人としています。「文学」は理想主義的な傾向があり最も優れた作品を生み出した人、「平和」では、国家間の関係や軍備の廃止または削減、平和会議の設立などに最善を尽くした人です。

Q ノーベル賞って五つだっけ?
A いいえ、経済学賞もあります。ノーベルの死後70年以上たってから加えられました。スウェーデン国立銀行が創立300周年を記念して、ノーベルをしのぶ形で設けたのです。1969年に最初の授賞式がありました。
賞金は各賞1000万スウェーデンクローナ(約1億2700万円)で、複数人で受賞した場合は貢献度に応じて分け合います。ただ、経済学賞だけ賞金の原資が銀行からの寄付になります。
Q どうやって受賞者を選ぶの?
A 賞によって選考委員会があり、受賞者を決めます。物理学賞と化学賞、経済学賞の選考委は、スウェーデン王立科学アカデミーが設けます。医学生理学賞はスウェーデン最大の医科大学で医学研究機関でもあるカロリンスカ研究所、文学賞はスウェーデン・アカデミー、平和賞は隣国ノルウェーの国会が任命したノーベル賞委員会です。
どの賞も、選考は候補者の推薦から始まります。毎年9月、過去の受賞者や世界中の研究者ら数千人が、ノーベル賞にふさわしい人を推薦するよう依頼されます。それぞれの選考委は1年かけて推薦された候補者を絞り込み、翌年10月の発表当日に最終選考をします。どのような過程で選ばれたのかは全て秘密ですが、授賞の50年後に公表されることになっています。
Q 日本もたくさん受賞しているんだよね。
A これまでの日本の受賞者は、米国籍の2人を含めて27人です。このうち、自然科学系の3賞(物理学、化学、医学生理学)で24人に上ります。
例えば、星が寿命を終える時に起きる超新星爆発により、物質を構成する最も基本的な単位である「素粒子」のニュートリノが生じます。2002年に物理学賞を受賞した小柴昌俊さんは、ニュートリノを観測する天文学の道を開いたことが評価されました。19年の化学賞に輝いた吉野彰・旭化成名誉フェローは、スマートフォンや電気自動車などに幅広く活用されているリチウムイオン電池の開発への貢献が認められました。
最近10年を見ても11年と13年、17年、20年以外は受賞しています。
Q 今年は誰が取るのかなあ。
A 米国の科学情報会社は9月22日、論文が他の研究者の論文にどれだけ引用されたかを考慮して、医学生理学と物理学、化学、経済学の各賞の有力候補者16人を発表しました。日本人は、沢本光男・中部大教授と岸本忠三・大阪大免疫学フロンティア研究センター特任教授、平野俊夫・量子科学技術研究開発機構理事長の3人です。
沢本さんは、性能のいい合成ゴムなどに応用されている画期的な素材の合成手法を確立させた功績が高く評価されており、化学賞の候補になっています。岸本さんと平野さんは、関節リウマチなどの炎症反応を起こすたんぱく質「インターロイキン6」を発見し、治療薬「アクテムラ」の開発につなげ、医学生理学賞の候補です。
新型コロナウイルスのワクチンとして初めて実用化された、ウイルスの遺伝情報の一部を使う「メッセンジャー(m)RNAワクチン」の開発に携わった研究者が受賞するかどうかも、注目されています。

2021年の各賞の発表予定
日時(日本時間) | 分野 | 2021年の受賞者 |
---|---|---|
10月4日(月)午後6時半以降 | 医学生理学賞 | アメリカの2氏 「温度と触覚の受容体の発見」 |
10月5日(火)午後6時45分以降 | 物理学賞 | 「気候モデル」手法確立の真鍋淑郎氏ら |
10月6日(水)午後6時45分以降 | 化学賞 | 米独2氏に 「不斉有機触媒の開発」 |
10月7日(木)午後8時以降 | 文学賞 | アブドゥラザク・グルナ氏 難民テーマに執筆 |
10月8日(金)午後6時 | 平和賞 | フィリピンとロシアのジャーナリストに |
10月11日(月)午後6時45分以降 | 経済学賞 | 米カリフォルニア大学のカード教授ら米研究者3氏に |
日本の受賞者(2019年まで、敬称略)

■吉野彰(化学賞、2019年)
旭化成の研究員だった1985年、「負極」(マイナス極)にリチウムイオンをためることができる炭素素材を用い、商業生産に道を開くことになるリチウムイオン電池を初めて作った。充電すれば繰り返し使うことができ、スマートフォンや電気自動車などで活用されている。
■本庶佑(医学生理学賞、2018年)
免疫の働きにブレーキをかけるたんぱく質「PD-1」を発見し、このブレーキを取り除くことでがん細胞を攻撃する新しいタイプの「がん免疫療法」を実現。がん免疫治療薬「オプジーボ」の開発に携わった。

■大隅良典(医学生理学賞、2016年)
生物が細胞内でたんぱく質を分解して再利用する「オートファジー(自食作用)」を分子レベルで解明。生命活動を支える最も基本的な仕組みを突き止めた。がんやパーキンソン病にも関係していることが判明し、病気の原因解明や治療法開発などにつながると注目されている。
■梶田隆章(物理学賞、2015年)
小柴昌俊の研究を引き継ぎ、1998年にニュートリノに質量があることを発表。宇宙の成り立ちの解明につながる成果として評価された。観測施設は、小柴が使った「カミオカンデ」の性能を高めた「スーパーカミオカンデ」(岐阜県飛騨市)を利用した。
■大村智(医学生理学賞、2015年)
静岡県伊東市のゴルフ場の土にいた新種の放線菌が出す物質から、抗生物質「エバーメクチン」を発見し、1979年に報告。これを利用した薬剤は、失明や視覚障害を起こす「オンコセルカ症(河川盲目症)」の特効薬として普及した。
■中村修二、天野浩、赤崎勇(物理学賞、2014年、左から)
赤崎と天野は、窒化ガリウムを使った半導体結晶の加工技術を確立し、長年不可能だった青色発光ダイオード(LED)の開発に成功。中村(米国籍)は実用レベルの明るさと効率化を実現し、世界で初めて製品化した。青色LEDは屋外大型ディスプレーや携帯電話のバックライト、屋内照明や信号機などに広く応用され、省エネに大きく貢献。青色LEDを発展させた青色レーザーは大容量光ディスクや高速通信機器など今日の情報技術(IT)時代に不可欠なさまざまな技術を可能にした。
■山中伸弥(医学生理学賞、2012年)
皮膚細胞に4種類の遺伝子を入れることで、あらゆる組織や臓器に分化する能力と高い増殖能力を持つ「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を作り出した。再生医療などでの応用研究が進んでいる。最初の成果から6年余りという異例のスピード受賞だった。
■鈴木章、根岸英一(化学賞、2010年、左から)
鈴木氏と根岸氏は、従来は難しかった2種類の有機化合物を、金属のパラジウムを触媒に使い、効率よく結合させる化学反応「クロスカップリング」と呼ばれる手法を、それぞれ独自に開発した。医薬品開発やエレクトロニクス分野で、さまざまな新しい物質や素材を作ることが可能になり、抗がん剤や次世代照明として期待される有機EL(エレクトロルミネッセンス)などの開発に役立っている。これらの反応は「鈴木カップリング」「根岸カップリング」と、それぞれの名前を冠して呼ばれている。
■下村脩(化学賞、2008年)
オワンクラゲから緑色に輝く「緑色蛍光たんぱく質(GFP)」を取り出し、その発光の仕組みを解明した。これを目印に創薬や生命科学研究に不可欠な、生きた細胞内で特定の物質を観察する技術に結びついた。

■南部陽一郎、小林誠、益川敏英(物理学賞、2008年、左から)
南部(米国籍)は、極低温下で特定の物質の電気抵抗がゼロになる超電導現象にヒントを得て、「自発的対称性の破れ」という概念を構築。これを物質の最小単位である素粒子の世界に適用し、宇宙の始まりや物質が質量を獲得した理由などを説明した。小林、益川は、3種類しか存在が確認されていなかった素粒子クォークが「6種類以上必要」とする「6元クォーク模型」を考案した。2人の名字をアルファベット順に並べて「小林・益川理論」と呼んだ。予言通り、1977年までに4、5番目のクォークの存在が実証され、95年には6番目のトップクォークの存在が確定した。
■田中耕一(化学賞、2002年)
たんぱく質など巨大分子の質量を精密に測定する手法を開発した。新薬開発など生命科学の進展に大きく貢献し、食品検査やがん診断などへの応用も進んでいる。学士(大学学部卒業)での受賞は極めて珍しい。

■小柴昌俊(物理学賞、2002年)
星が滅ぶ際の超新星爆発で生まれた謎の素粒子「ニュートリノ」12個を、独自に考案し岐阜県内に設置した観測施設「カミオカンデ」で13秒間にわたってとらえた。超新星爆発の仕組み解明に貢献するなど、ニュートリノ天文学の扉を開いた。
■野依良治(化学賞、2001年)
物質を化学的に合成する際、自然には存在しない、似た型の物質が同時にできてしまうのが難点だった。触媒を工夫することで、欲しい型だけを選んで作り出せる「不斉合成」を開発。香料やアミノ酸の大量生産を実現し、医薬・食品開発などに貢献した。
■白川英樹(化学賞、2000年)
絶縁体と考えられていたプラスチックに、電気を流す導電性をもたせることに成功。発光ダイオードや太陽光発電素子、携帯電話のディスプレーなど、現代生活を支える電子機器の開発に貢献した。触媒の量を間違うという実験の失敗が、大発見につながった。
■大江健三郎(文学賞、1994年)
「現代の人間の置かれた苦悩を、揺れ動く一枚の絵として描き出した」と評価された。「個人的な体験」「万延元年のフットボール」「ヒロシマ・ノート」が代表作。反核運動にも積極的に取り組んだ。

■利根川進(医学生理学賞、1987年)
病原体から体を守る免疫反応の主役である免疫グロブリン(抗体たんぱく質)をつくる遺伝子の働きの仕組みを世界で初めて解明した。ノーベル賞受賞以前から米マサチューセッツ工科大教授を務め、日本からの頭脳流出と話題を呼んだ。
■福井謙一(化学賞、1981年)
分子の中の「フロンティア電子」が化学反応に最も寄与するとの理論を打ち出した。量子力学の考えを化学反応に導入し、化学反応のほとんどをカバーできる画期的な理論と位置づけられた。初の化学賞受賞は、学界に大きな励みを与えた。
■佐藤栄作(平和賞、1974年)
首相在任中、核拡散防止条約に調印するなど、アジア地域の安定、さらには世界全体の平和に貢献。戦争放棄の日本国憲法を基に平和維持のための努力を重ね、「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則を表明した。
■江崎玲於奈(物理学賞、1973年)
ソニーの研究員だった時、トンネル効果という極微の世界で見られる現象が半導体で起きることを発見した。この半導体はエサキダイオードと呼ばれる。増幅や発振などの回路で優れた性能を持ち、エレクトロニクス界の革命と言われた。
■川端康成(文学賞、1968年)
「雪国」「千羽鶴」「眠れる美女」「古都」など、外国に翻訳・紹介された作品も数多く、その繊細な表現と叙情性豊かな作風は、東洋のエキゾチシズムと相まって高く評価された。国際ペンクラブ副会長としても活躍した。他の小説に「伊豆の踊子」「山の音」など。
■朝永振一郎(物理学賞、1965年)
1943年の論文「素粒子の運動方程式――超多時間理論」で、量子論と相対性理論の両立を実現させ、続く「くりこみ理論」で素粒子論の有効性を立証、現代物理学の基礎を開いた。湯川らとともに核使用に反対する世界平和への提言も活発に行った。
■湯川秀樹(物理学賞、1949年)
原子核の陽子や中性子などを一つに固めている「π(パイ)中間子」の存在を理論的に予測。敗戦で日本中がうちひしがれていた時期で、日本初のノーベル賞受賞は国民に大きな希望を与えた。在籍した京都大理学部は、その後、世界の理論物理学をリードする人材を輩出した。もっと知りたい
新着記事
-
ノーベル賞受賞・故赤崎勇さん 出身地に功績碑建立 南九州 /鹿児島
2022/4/20 06:33 303文字鹿児島県南九州市は、2014年にノーベル物理学賞を受賞し、21年4月に92歳で亡くなった赤崎勇さんの功績碑を出身地の市知覧庁舎前に建立した。16日にあった除幕式には長女らが参加し、「感無量」としのんだ。 赤崎さんは1929年、鹿児島県旧知覧町(現南九州市)生まれ。青色発光ダイオード(LED)の開発
-
21年ノーベル賞受賞、真鍋氏 「好きなことで世界へ」 愛媛の母校に寄付、メッセージも /愛媛
2022/4/3 05:38 365文字2021年のノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎・米プリンストン大上席気象研究員(90)が母校の愛媛県立三島高校(旧制三島中、四国中央市)に50万円を寄贈した。3月30日にあった贈呈式に本人は出席しなかったが、動画でメッセージを寄せ、「『好きこそ物の上手なれ』ということわざがあります。好きなことをや
-
ノーベル賞 3年ぶり晩さん会
2022/3/23 02:06 242文字スウェーデンのノーベル財団は2022年のノーベル賞の発表日程や関連行事の予定を公表した。新型コロナウイルスの流行が拡大して以降、開催を見送ってきた授賞式後の晩さん会を3年ぶりに開き、21年の物理学賞を受賞した真鍋淑郎・米プリンストン大上席気象研究員を含む、過去2年間の受賞者も招待する。 各賞の発表
-
真鍋氏に県民賞授与 県、ノーベル賞受賞で意向 /愛媛
2021/12/23 06:05 423文字中村時広知事は22日、ノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎氏(90)=四国中央市出身=に対し、県表彰の最高位である県民賞を授与する意向を明らかにした。県の打診に対し前向きな回答を得られたという。選考委員会を経て正式決定し、授与は2022年1月ごろになる見込み。 中村知事は「県民に大きな希望、夢をもた
-
ノーベル平和賞、2氏授賞式 「攻撃受けるほど決意固く」比メディア代表
2021/12/12 05:09 779文字言論を守るため権力と対峙(たいじ)するジャーナリスト、フィリピンのマリア・レッサ氏(58)とロシアのドミトリー・ムラトフ氏(60)へのノーベル平和賞の授賞式が10日、ノルウェーの首都オスロで開かれた。ムラトフ氏は「われわれは独裁権力への対抗手段だ」と演説。レッサ氏は弾圧下でも事実を追求する決意を表
-
-
攻撃受けるほど決意固く ノーベル平和賞 2記者授賞式
2021/12/12 05:09 466文字言論を守るため権力と対峙(たいじ)するジャーナリスト、フィリピンのマリア・レッサ氏(58)とロシアのドミトリー・ムラトフ氏(60)へのノーベル平和賞の授賞式が10日、ノルウェーの首都オスロで開かれた。ムラトフ氏は「われわれは独裁権力への対抗手段だ」と演説。レッサ氏は弾圧下でも事実を追求する決意を表
-
権力と対峙、決意新た ノーベル平和賞、2記者授賞式
2021/12/11 15:20 665文字言論を守るため権力と対峙(たいじ)するジャーナリスト、フィリピンのマリア・レッサ氏(58)とロシアのドミトリー・ムラトフ氏(60)へのノーベル平和賞の授賞式が10日、ノルウェーの首都オスロで開かれた。ムラトフ氏は「われわれは独裁権力への対抗手段だ」と演説。レッサ氏は弾圧下でも事実を追求する決意を表
-
弾圧犠牲記者に黙とう ノーベル平和賞・ムラトフ氏呼びかけ 授賞式
2021/12/11 15:13 991文字言論を守るため権力と対峙(たいじ)するジャーナリスト、フィリピンのマリア・レッサ氏(58)とロシアのドミトリー・ムラトフ氏(60)へのノーベル平和賞の授賞式が10日、ノルウェーの首都オスロで開かれた。ムラトフ氏は「われわれは独裁権力への対抗手段だ」と演説。レッサ氏は弾圧下でも事実を追求する決意を表
-
ノーベル平和賞2記者、権力監視決意 授賞式
2021/12/11 12:27 520文字言論を守るため権力と対峙(たいじ)するジャーナリスト、フィリピンのマリア・レッサ氏(58)とロシアのドミトリー・ムラトフ氏(60)へのノーベル平和賞の授賞式が10日、ノルウェーの首都オスロで開かれた。ムラトフ氏は「われわれは独裁権力への対抗手段だ」と演説。レッサ氏は弾圧下でも事実を追求する決意を表
-
ノーベル賞の真鍋さんたたえる 授賞式、オンライン中継
2021/12/11 12:27 375文字ノーベル賞の科学3賞などの授賞式が10日午後(日本時間11日未明)、スウェーデンのストックホルム市庁舎で開かれた。物理学賞の真鍋淑郎・米プリンストン大上席気象研究員(90)をはじめ受賞者は新型コロナウイルス流行のため出席せず、ノーベル財団の関係者らが業績を紹介。真鍋さんらの研究成果については「気候
-
-
「命をささげた同僚に敬意を」ムラトフ氏ら黙とう 平和賞授賞式
2021/12/11 11:49 574文字職務に命をささげた同僚に思いをはせ、敬意を表しましょう――。ノルウェー・オスロの市庁舎で10日に開かれたノーベル平和賞の授賞式。ロシアの新聞編集長ドミトリー・ムラトフ氏は受賞演説を終えると、弾圧により亡くなった記者らのため出席者に黙とうを呼び掛けた。 ムラトフ氏の率いる独立系新聞「ノーバヤ・ガゼー
-
「独裁権力に対抗」ノーベル平和賞の2氏、授賞式で決意表明
2021/12/11 11:45 665文字言論を守るため権力と対峙(たいじ)するジャーナリスト、フィリピンのマリア・レッサ氏(58)とロシアのドミトリー・ムラトフ氏(60)へのノーベル平和賞の授賞式が10日、ノルウェーの首都オスロで開かれた。ムラトフ氏は「われわれは独裁権力への対抗手段だ」と演説。レッサ氏は弾圧下でも事実を追求する決意を表
-
ノーベル賞授賞式 真鍋さんらの業績たたえる 受賞者出席せず中継
2021/12/11 03:12 368文字ノーベル賞の科学3賞などの授賞式が10日午後(日本時間11日未明)、スウェーデンのストックホルム市庁舎で開かれた。物理学賞の真鍋淑郎・米プリンストン大上席気象研究員(90)をはじめ受賞者は新型コロナウイルス流行のため出席せず、ノーベル財団の関係者らが業績を紹介。真鍋さんらの研究成果については「気候
-
ノーベル平和賞の2記者、会見 報道危機は「独裁招く」
2021/12/11 02:01 628文字強権的な政府の下で表現の自由を守り、今年のノーベル平和賞に決まったロシアの新聞編集長、ドミトリー・ムラトフ氏(60)と、フィリピンのジャーナリスト、マリア・レッサ氏(58)が9日、ノルウェーで記者会見を開いた。ムラトフ氏は報道や民主主義が信頼を失えば「独裁政治を招く」と訴え、自由な言論を脅かす弾圧
-
報道危機は「独裁招く」 記者、事実追求を 平和賞の2人が会見
2021/12/10 17:09 713文字強権的な政府の下で表現の自由を守り、今年のノーベル平和賞に決まったロシアの新聞編集長、ドミトリー・ムラトフ氏(60)と、フィリピンのジャーナリスト、マリア・レッサ氏(58)が9日、ノルウェーで記者会見を開いた。ムラトフ氏は報道や民主主義が信頼を失えば「独裁政治を招く」と訴え、自由な言論を脅かす弾圧
-
-
記者の目
真鍋氏にノーベル物理学賞 科学が示す温暖化、対策急げ=大場あい(東京科学環境部)
2021/12/10 02:01注目の連載 1881文字今年のノーベル物理学賞に、物理法則に基づいて地球の気候を再現する「気候モデル」研究を開拓した真鍋淑郎(しゅくろう)・米プリンストン大上席気象研究員(90)が選ばれた。授賞式は10日にスウェーデンで行われる。気候科学分野の研究者の受賞は初の快挙だ。その業績によって、複雑な気候システムの理解が進み、地
-
ノーベル平和賞 受賞の2記者が会見
2021/12/10 02:00 344文字自国の強権政治の下で表現の自由を守り、今年のノーベル平和賞に決まったロシアの新聞編集長ドミトリー・ムラトフ氏(60)と、フィリピンのジャーナリストのマリア・レッサ氏(58)が9日、ノルウェーの首都オスロからオンラインで記者会見を開き、ムラトフ氏は「受賞は全てのジャーナリストのものだ」と述べた。 ジ
-
「温暖化は水格差広げる」 ノーベル物理学賞・真鍋さん記念講演
2021/12/9 02:01 332文字今年のノーベル物理学賞に輝いた真鍋淑郎・米プリンストン大上席気象研究員(90)が8日、オンラインで受賞記念講演をした。地球温暖化は世界の水循環にも大きな影響を与えるとして「干ばつや洪水の頻度が増え、水資源の豊かな地域と乏しい地域の格差を広げる」と問題の深刻さを指摘した。 真鍋さんは「地球の気候の物
-
ノーベル物理学賞 「気候研究は面白い」 真鍋さんにメダル授与
2021/12/8 06:42 1140文字今年のノーベル物理学賞に選ばれた真鍋淑郎・米プリンストン大上席気象研究員(90)に6日(日本時間7日)、米首都ワシントンの科学アカデミーでメダルと賞状が授与された。気候科学の基礎を築き、地球温暖化対策の後押しになった業績が評価された。式典後に真鍋さんは「大変ハッピーです。この分野は面白い。日本の若
-
にこにこ、るんるん 真鍋さん「気象って面白い」 ノーベル物理学賞・メダル授与
2021/12/8 06:41 814文字今年のノーベル物理学賞に選ばれた真鍋淑郎・米プリンストン大上席気象研究員(90)に6日(日本時間7日)、米首都ワシントンの科学アカデミーでメダルと賞状が授与された。気候科学の基礎を築き、地球温暖化対策の後押しになった業績が評価された。式典後に真鍋さんは「大変ハッピーです。この分野は面白い。日本の若
-
-
真鍋淑郎さん、ノーベル物理学賞授与式 郷土の誇り、住民笑顔で祝福 四国中央でPVに50人 /愛媛
2021/12/8 06:37 647文字ノーベル物理学賞に選ばれた真鍋淑郎さん(90)の出身地、四国中央市の旧新宮村地区では7日朝、授与式のパブリックビューイング(PV)が開かれた。真鍋さんがメダルを受け取る映像が流れると、集まった地元住民ら約50人から拍手が起こり、祝福ムードに包まれた。 真鍋さんと小学校の同級生だった大岡武重さん(9
-
ノーベル物理学賞 「気候研究は面白い」 真鍋さんにメダル授与
2021/12/8 02:01 1140文字今年のノーベル物理学賞に選ばれた真鍋淑郎・米プリンストン大上席気象研究員(90)に6日(日本時間7日)、米首都ワシントンの科学アカデミーでメダルと賞状が授与された。気候科学の基礎を築き、地球温暖化対策の後押しになった業績が評価された。式典後に真鍋さんは「大変ハッピーです。この分野は面白い。日本の若
-
「この分野は面白い。もっと来て」 真鍋淑郎さんにノーベル賞授与
2021/12/7 18:52 1028文字今年のノーベル物理学賞に選ばれた真鍋淑郎・米プリンストン大上席気象研究員(90)に6日(日本時間7日)、米首都ワシントンの科学アカデミーでメダルと賞状が授与された。気候科学の基礎を築き、地球温暖化対策の後押しになった業績が評価された。式典後に真鍋さんは「大変ハッピーです。この分野は面白い。日本の若
-
ノーベル物理学賞 真鍋さんにメダル授与 「大変ハッピー」
2021/12/7 12:38 552文字今年のノーベル物理学賞に選ばれた真鍋淑郎・米プリンストン大上席気象研究員(90)に6日(日本時間7日)、米首都ワシントンの科学アカデミーでメダルと賞状が授与された。地球温暖化対策の根拠となる気候科学の基礎を築いた業績が評価された。授与式を終えた真鍋さんは「大変ハッピーです。この分野は面白い。日本の
-
ノーベル賞・真鍋淑郎さん メダル「思ったより重い」 若者にエール
2021/12/7 11:24 380文字「思ったよりも重いですね」。6日、米首都ワシントンで開かれた式典で、ノーベル物理学賞のメダルを手にした米プリンストン大上席気象研究員の真鍋淑郎さん(90)は、科学界で最高の栄誉とされる賞の重みと喜びをかみしめた。次世代の気候変動研究を担う日本の若者には「好奇心を持ってどんどん研究を」とエールを送っ
-
ノーベル物理学賞・真鍋淑郎さんにメダル授与 「大変ハッピー」
2021/12/7 08:20動画あり 943文字今年のノーベル物理学賞に選ばれた真鍋淑郎・米プリンストン大上席気象研究員(90)に6日(日本時間7日)、米首都ワシントンの科学アカデミーでメダルと賞状が授与された。地球温暖化対策の根拠となる気候科学の基礎を築いた業績が評価された。授与式を終えた真鍋さんは「大変ハッピーです。この分野は面白い。日本の
-
19年ノーベル化学賞 吉野教授が記念講演 名城大で11日 /愛知
2021/12/7 05:22 439文字名城大(名古屋市天白区)は11日、リチウムイオン電池の開発で2019年にノーベル化学賞を受賞した吉野彰終身教授による、受賞記念講演会を開く。01年に同賞を受賞した野依良治・同大客員教授も登壇し、吉野教授と対談する。オンラインで一般公開される。 受賞後すぐの20年春に講演会を予定していたが、コロナ禍
-
真鍋氏のノーベル物理学賞で注目 シミュレーション研究の今
2021/11/20 18:00深掘り 2408文字今年のノーベル賞の授賞式が10日に迫った。物理学賞は真鍋淑郎(しゅくろう)・米プリンストン大上席気象研究員に贈られる。気象を含む地球科学分野での受賞は初めてだが、「シミュレーション」を用いた研究の受賞という点でも注目を集めている。関係者は「シミュレーション研究の社会への役割が大きくなるきっかけにな
-
土記
日本では暮らせない=青野由利
2021/10/30 02:01 982文字<do-ki> 世代も背景もまったく違う2人が、「日本では暮らせない」と胸の内を話したのが気にかかった。 1人は今年のノーベル物理学賞受賞者で米国籍の真鍋淑郎さん。常に協調性が求められる日本より、人を気にせず自由に研究できる米国が性に合う、と語っていた。 そしてもう1人は小室圭さんとの結婚への強い
-
ノーベル平和賞授賞式、対面方式で開催へ 昨年はオンライン
2021/10/26 09:00 277文字ノルウェーのノーベル賞委員会は25日、首都オスロで12月10日に開くノーベル平和賞の授賞式を対面方式で開催する方針を明らかにした。新型コロナウイルス流行の影響で昨年はオンラインで開催された。 例年はスウェーデンで同じ日に授賞式を開くノーベル賞の他の5部門は、運営団体が9月、昨年に続いて対面方式を見