連載記事 62件
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椎名林檎「化粧直し」から伝わる“孤独と寂しさ”
切ない歌を探して
「個性的」という形容詞がよく似合う、シンガー・ソングライターの椎名林檎。彼女が「化粧直し」という曲のなかで歌っている。 ♪…
2018年6月27日
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喜びも悲しみも浄化 レナード・コーエン「ハレルヤ」
切ない歌を探して
なぜかわからないが切なさがこみあげてきて、ある種の感情の高まりを感じるメロディーがある。それが「ハレルヤ(Halleluj…
2018年6月13日
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マイク真木「バラが咲いた」モダンフォークの先駆け
切ない歌を探して
日本でフォークソングがはやりはじめた1960年代後半、「バラが咲いた」は象徴的な歌だった。66年、新人のマイク真木がギター…
2018年5月16日
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上田正樹「悲しい色やね」大阪はどうして切ないか
切ない歌を探して
ご当地ソングというものがある。地名や名所が入ったわかりやすい歌から、方言が使われているものなど、土地になじみのある歌詞で、…
2018年5月2日
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つらさ優しさ重ね合わせたル・クプル「ひだまりの詩」
切ない歌を探して
那覇の居酒屋で、「切ない歌」についてカウンターで知人や店の常連と話していたら、「うまくいえないんだけど、なぜかあの歌を聴く…
2018年4月18日
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ソウル界の悲劇のレジェンドが歌う「孤独感と諦め」
切ない歌を探して
春が来て、多くの人が新しい生活をはじめる。なかには、思いがけず遠いところへ赴任したり、転勤になった人もいるだろう。「なんで…
2018年4月4日
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スティング「フラジャイル」人のはかなさ暴力の非道さ
切ない歌を探して
平昌オリンピック開催中、中東シリアでアサド政権による反体制派への空爆などで一般市民が多数亡くなった。2月18日からの10日…
2018年3月21日
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チューリップ「サボテンの花」つらい時を乗り越えた後
切ない歌を探して
この冬は全国的に長く冷たい。北陸の知人は、暖房費が例年の倍だと閉口し、青森の友人は「こうずっと雪が続くとさすがに嫌になる」…
2018年3月7日
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地吹雪にきく津軽三味線の名手・竹山「じょんから節」
切ない歌を探して
冬の津軽平野をレンタカーで走ることになったとき、地元の人から「吹ぐから気をつけて」と言われた。「吹ぐ」とは地吹雪が舞うこと…
2018年2月21日
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ザ・イエロー・モンキー「JAM」若さゆえの身もだえ
切ない歌を探して
自己否定の暗闇から理想を見いだそうとした作家・高橋和巳(1931~71年)が、青春についてこんなことを書いていた。 「青年…
2018年2月7日
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「ラストダンスは私に」好きにしていいけれど最後は…
切ない歌を探して
卒業や旅立ちの季節をそろそろ迎え、さまざまな別れの会が開かれることだろう。そこでのやりとりもいろいろだろうが、たとえばその…
2018年1月24日
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「アランフェス協奏曲」スペイン的深い憂愁と哀切
切ない歌を探して
真冬にバックパックを背負ってヨーロッパを旅したことがあった。スペインの地中海沿いから鉄道を利用し北上した。もう少しでマドリ…
2018年1月10日
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竹内まりや「駅」偶然の出会いと胸に詰まる思い
切ない歌を探して
師走の駅で、足早に過ぎてゆく人の群れ。そのなかに、別れた人に似た面影を見てはっとする。冷静になればもうずいぶん昔のことだし…
2017年12月27日
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「君の瞳に恋してる」悲しいくらい好きな彼女への思い
切ない歌を探して
軽やかにアップテンポで、前向きな歌詞の曲でも、どこか切なさを感じるときがまれにある。たとえば、「Can't Take My…
2017年12月13日
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白一色の世界と通りすぎる思い出「雪の降るまちを」
切ない歌を探して
北の町では今年も雪の季節を迎えているが、歌の世界で雪はどんなふうに登場しているのだろう。 有名な「なごり雪」では、駅のホー…
2017年11月29日
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むなしさとはかなさが入りまじるタンゴの名曲「忘却」
切ない歌を探して
「忘却とは忘れ去ることなり。忘れえずして忘却を誓う心の悲しさよ」。その昔NHKのラジオドラマ「君の名は」(1952~54年…
2017年11月15日
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ビートルズ「ミッシェル」憂いと哀愁、そして懇願……
切ない歌を探して
永遠のロックグループ、ビートルズ。ジョン・レノンとポール・マッカートニーというふたりの曲作りの天才によって、世に送り出され…
2017年11月1日
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探し続ける思いを歌う山崎まさよし「One more time …」
切ない歌を探して
何かを、あるいは誰かを探し続けるというのは切ないものだ。まして見つかるかどうかわからないのに、探し、追い求めるのは痛々しく…
2017年10月18日
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童謡「月の沙漠」人生の旅もまたどこへ行くのか
切ない歌を探して
「 ♪ 月の沙漠(さばく)を はるばると 旅の駱駝(らくだ)が ゆきました」 有名な童謡「月の沙漠」の歌いだしである…
2017年10月4日
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離れゆく2人を切なく歌う杏里「オリビアを聴きながら」
切ない歌を探して
たいていのことには、始まりがあれば終わりもある。始まりに比べれば終わりの方が、寂しかったり切なかったりする。だから、終わり…
2017年9月20日
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切なく響く「ホテル・カリフォルニア」夢と現実の落差
切ない歌を探して
ときどき店先でライブ演奏をしている近くのカフェ・レストランからエレキギターのイントロが聞こえてきた。よくコピーされるロック…
2017年9月6日
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青春の光と影を思い出す石川セリ「八月の濡れた砂」
切ない歌を探して
夏も残り少なくなってきた。ぱっとしない天気が続き、自分の夏もぱっとしなかったなと、振り返っている人もいるだろうし、忘れられ…
2017年8月23日
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ムスタキも日系米国人3世も歌ったあの広島の夏
切ない歌を探して
忘れていた歌を、ふとしたきっかけで思い出すことがある。ジョルジュ・ムスタキ(Georges Moustaki)の「ヒロシマ…
2017年8月9日
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肌に突き刺さるジャニス真夏の官能「サマータイム」
切ない歌を探して
「夏にちなんだ名曲」が、ラジオなどでよく特集されている。人によって時代によって選曲はさまざまだが、そのテーマはいくつかの種…
2017年7月26日
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イーストウッドが描く男の人生と孤独「グラン・トリノ」
切ない歌を探して
家族や恋人同士の愛情物語でもなければ、英雄譚(たん)でもないし、戦争や死や極端な状況下の悲話でもない。だが、静かな感動を呼…
2017年7月12日
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不条理への怒りと楽観「ノー・ウーマン、ノー・クライ」
切ない歌を探して
カリブ海に浮かぶ、秋田県ほどの小さな島国ジャマイカが生んだスーパースター、ボブ・マーリー(Bob Marley)は、36年…
2017年6月28日
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だれもが“夜の星”を見上げた昭和と坂本九の時代
切ない歌を探して
NHKの朝ドラ「ひよっこ」を見ていて、主人のみね子やその友人、家族のけなげな姿に、ときどき胸がジーンとくることがある。 そ…
2017年6月14日
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一人酒のわびしさと郷愁「横浜ホンキートンク・ブルース」
切ない歌を探して
夕方から夜にかけて、ぶらり町を歩くにはいい季節になってきた。横浜・桜木町から“赤レンガ”の方へ向かい、港沿いを行くと大桟橋…
2017年5月31日
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辺野古への思慕と哀惜を歌う「島に吹く風~二見情歌」
切ない歌を探して
沖縄県北部の辺野古の静かな海が、いま新たな米軍基地建設のために埋め立てられようとしている。いちど埋め立てれば、二度と復元は…
2017年5月17日
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切ない愛を逆の言葉で「マイ・ファニー・バレンタイン」
切ない歌を探して
ある時電車のなかで、女子中学生2人が両親のことをあれこれ話していた。そのうち一人がこう言った。 「それで、うちのお母さんが…
2017年5月3日
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ペギー葉山「つたのからまるチャペル~」と学生時代
切ない歌を探して
ペギー葉山さんの訃報とともに、彼女の代表曲の一つである「学生時代」を聞いて、遠い昔のある光景を思い出した。 この歌が発表さ…
2017年4月19日
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歌い継がれる「スローバラード」と忌野清志郎の夢
切ない歌を探して
イントロを聴いた瞬間に、ぞくっとくる。忌野清志郎(RCサクセション)の「スローバラード」は、まぎれもなくそういう名曲だ。一…
2017年4月5日
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「今夜ほど寂しい夜はない」人が去りゆく春と浅川マキ
切ない歌を探して
なんとなく毎日が過ぎていく、それも結構速く過ぎていく。なんだろうなと意味もなく、時の移ろいに、夕焼けを見るような寂しさを感…
2017年3月22日
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時代と国境を超えた「カーペンターズ」の美しい歌声
切ない歌を探して
これまで何人ものポピュラー音楽の女性歌手にインタビューしてきて、彼女たちにとって好きな歌手、あこがれの歌手としてその名がも…
2017年3月8日
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青春の迷いと焦燥を歌う「サウンド・オブ・サイレンス」
切ない歌を探して
町の図書館に行ったら、季節柄か、特設コーナーに「卒業」をテーマにしたさまざまな本が並べられていた。そのなかに「『卒業』Pa…
2017年2月22日
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“ナガレモノの哀しみ”を歌う八代亜紀「五木の子守唄」
切ない歌を探して
演歌や歌謡曲の大御所が歌うジャズには、人の心をぐっとつかむ力がある。若いころはジャズやポップスを歌い、プロになるため歌謡曲…
2017年2月8日
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オフコース「さよなら」に漂うあきらめともの悲しさと
切ない歌を探して
いつごろからだろう。日本でも、男女が路上で平気でキスしたり、派手に抱き合ったりするようになったのは。バブル経済が崩壊した1…
2017年1月25日
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公演裏方を優しくねぎらう「ザ・ロードアウト/ステイ」
切ない歌を探して
「縁の下の力持ち」は、いたるところにいる。だが、文字通り「縁の下」だから、ふつうは見えない。会社でも地域コミュニティーでも…
2017年1月11日
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28年の時がいとおしく寂しいSMAP「夜空ノムコウ」
切ない歌を探して
1年が過ぎ去り、また新しい年を迎える。時の流れだけは止めようがない。「あれからずいぶんたったね」とか、「若いころは……」と…
2016年12月28日
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誰もが思い出すそれぞれの「クリスマス・イブ」
切ない歌を探して
今年もまちなかにクリスマスソングが流れはじめた。年の切り替わりに向かって、ちまたでは、この時期ならではのせわしさと心躍るよ…
2016年12月14日
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「ミスター・ロンリー」で孤独をかみしめる秋の夜長
切ない歌を探して
夜が長くなってきた。深夜にひとりでいると、「あー、人間は孤独だな」とつぶやいてみたくなる。今なら友だちに電話やメールで連絡…
2016年11月30日
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名曲「枯葉」でよみがえる人生の思い出と感傷
切ない歌を探して
美しさと、はかなさは表裏一体だ。晩秋の色づく木々の葉は、きれいだなと思っているとやがて一枚一枚落ちて風に舞う。枯れ葉となっ…
2016年11月16日
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やけっぱちな私に優しかった「タクシードライバー」
切ない歌を探して
タクシー運転手との出会いは、ほとんどその場限り、一期一会だ。だからなにげない話、どうでもいいような話のほかに、誰にも話した…
2016年11月2日
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ノーベル文学賞沈黙でもディランの音楽性は不変
切ない歌を探して
ノーベル文学賞受賞が決まったボブ・ディラン。賞の発表にあたって、スウェーデン・アカデミーのサラ・ダニウス事務局長は「口語で…
2016年10月19日
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杯を片手に聴きたい桑名正博「月のあかり」
切ない歌を探して
アメリカ・コロラド州のデンバーで、それはそれは明るい月夜にであったことがある。秋の夜のことで、見たこともない大きな美しい月…
2016年10月5日
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「イパネマの娘」ジョビンのもう一つの名曲「愛の語らい」
切ない歌を探して
リオデジャネイロ五輪の開会式では、ボサノヴァの代表曲「イパネマの娘」が演奏され、式場につめかけたブラジル国民が歌い、モニタ…
2016年9月21日
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日本人の心に染みる「赤とんぼ」の郷愁と叙情
切ない歌を探して
蒸し暑い日は続くが、朝夕の風はたしかに秋めいてきた。街によって、毎夕決まった時間に、鐘の音やなじみの音楽を流すところがある…
2016年9月7日
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「避暑地の出来事」で描かれたある夏の日の恋
切ない歌を探して
夏の終わりは寂しい、なんて言葉は陳腐だが、海沿いを歩いていて、トンボがたくさん夕暮れ空を飛び交うのをみると、たしかにそんな…
2016年8月24日
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ざわわと揺れる沖縄の「さとうきび畑」と71年前の夏
切ない歌を探して
「毎年この時期にこの歌聴くと切なくなるの」。切ない歌についていろんな人に話を聞いているなかで、ある50代の女性がこう漏らし…
2016年8月10日
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苦しみを浄化するサザンの名曲「真夏の果実」
切ない歌を探して
“切なさ”とは何か、あらためて考えてみる。「切ない=(寂しさ、悲しさ、恋しさなどで)胸がしめつけられるような気持ちだ。つら…
2016年7月27日
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少年時代のあの夏がよみがえる「スタンド・バイ・ミー」
切ない歌を探して
夏も盛り、若い人にはまた夏休みがやってくる。もうそれほど長い休みをとれない大人たちは、「あー、あのころはおもしろかったなあ…
2016年7月13日
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柳ジョージが残した名作「雨に泣いてる」
切ない歌を探して
蒸し暑く、うっとうしい雨の季節を迎えた。雨と音楽といえば、寂しげな曲を思い浮かべがちだが、ミュージカル映画の名作「雨に唄え…
2016年6月29日
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珠玉の父娘デュエット「アンフォゲッタブル」
切ない歌を探して
6月19日の日曜日は父の日。親子の関係は人それぞれだが、父と子は、母と子の関係に比べれば、一般に堅苦しいところがあるのは確…
2016年6月15日
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「さよならあなた〜」雪と涙の青函連絡船
切ない歌を探して
◇阿久悠、三木たかし、石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」 北海道新幹線がこの春函館まで開通して、北海道と本州がまたぐっと近づ…
2016年6月1日
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吉田拓郎「制服」は大都会で働く若者への応援歌
切ない歌を探して
街路樹の緑が膨らみ、シャツ一枚で過ごせるすがすがしい季節となった。だが、五月病という言葉があるように、この時期ならではの“…
2016年5月18日
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取り戻せない喪失感を歌った沖縄歌謡「十九の春」
切ない歌を探して
あなたは、19歳の春にどんな思い出がありますか。19歳の春に戻りたいと思いますか。大人(20歳)になる直前の春に。♪わたし…
2016年5月4日
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「さくら」の花びらでよみがえる青春の甘さと苦さ
切ない歌を探して
首都圏のさくらはほぼ散ったが、東北、北海道はこれから見ごろになる。毎年、さくら前線が日本列島を通過して、花が咲き散っていく…
2016年4月20日
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青春の別れをまっすぐに歌った「なごり雪」
切ない歌を探して
三陸海岸が大震災に襲われるよりはるか前のこと。ちょうど今ごろの季節、旅の途中で降りた宮古駅で見た光景が忘れられない。 そろ…
2016年4月6日
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「卒業写真」を聴いて、卒業アルバムを開いてみる
切ない歌を探して
若かったころに思いをはせる、昔はよかったとつぶやく−−それだけならただのノスタルジーだが、「あのころと比べて自分はずいぶん…
2016年3月23日
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「蛍の光」が歌い上げる出会いと別れの切なさ
切ない歌を探して
「卒業」の季節がやってきた。さわやかで華々しい「入学」に比べ、卒業は喜びや安堵(あんど)と同時に、一抹の寂しさがある。 い…
2016年3月9日
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心を打つ名曲「風になりたい」のすがすがしさ
切ない歌を探して
いい歌の多くは切ない。切なさは人の心を揺さぶる。だが、同様に人の心を打つ要素はほかにもある。切ない歌の周辺をさぐる前に、い…
2016年2月24日
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サザン「いとしのエリー」は誰にとっても切ないか
切ない歌を探して
「あなたにとって切ない歌とはなんですか」「好きな歌で切ない歌はなに?」−−いろいろな人に、かれこれ1年以上こう尋ねてきた。…
2016年2月10日