平野英治 フォロー メットライフ生命副会長・元日銀理事 1950年生まれ。73年、一橋大学経済学部を卒業後、日本銀行に入行。33年あまりの勤務で国際局長や国際関係担当理事を歴任した。金融政策、国際金融の専門家で、金融機関の監督にも手腕をふるった。2006年に日銀理事を退任後、トヨタ自動車グループのトヨタファイナンシャルサービス株式会社に転じ、14年6月まで副社長を務めた。同年9月、メットライフ生命保険日本法人の副会長に就任。経済同友会幹事としても活動している。 (経歴は原則、執筆当時のものです) 「平均寿命100歳を超える社会」にどう備えるか ロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏の近著「ライフ・シフト 100年時代の人生戦略」(東洋経済新報社)がベ… 電子カルテの普及と活用が「予防医療」充実のカギ 当コラムで筆者は、世界に先駆けて日本が「活力ある高齢化社会」を実現するために、人々の健康増進を図る一方で、生産性を向上させ… 世界経済に水を差す「トランプリスク」と財政拡大のワナ 米連邦準備制度理事会(FRB)は3月、政策金利を0.25%引き上げた。FRBが3カ月以内に2度の利上げを行ったのは、201… 背広を着た金融マンにフィンテックは使いこなせない 米国大手金融機関のゴールドマン・サックスが金融取引の自動化を進めた結果、多くの株式トレーダーがより少数のコンピューターエン… 「高齢者は75歳以上」老年学会提言に百家争鳴 日本老年学会は1月、「高齢者」の定義を、従来の65歳以上から75歳以上に変更することを提言した。これは、日本人の寿命が延び… 日銀が疑義「GDP統計の精度」に政府はどう答えるか 国内総生産(GDP)統計の精度向上に向け、政府が重い腰を上げた。GDP統計に使われる基礎統計の見直しに向け、閣僚などで構成… 「トランプ保護主義」の連鎖は国民生活を苦しくする トランプ米大統領の誕生と英国の欧州連合(EU)離脱決定は、今年の国際政治を象徴する2大ニュースであり、先進諸国で静かに進行… 日本を激しく巻き込む「サイバー戦争の恐怖」 米民主党全国委員会のシステムが何者かにハッキングされ、党全国委員長ら幹部間のメールのやり取りが党大会直前に流出する事態とな… 日銀の金融政策は明らかに限界に来ている すったもんだの末、7月29日の金融政策決定会合において日銀は、上場投資信託(ETF)の買い入れ額の増額を決めた。一方、それ… ブレグジットで「金融センター・ロンドン」消滅? 英国の欧州連合(EU)離脱、いわゆる「ブレグジット」の影響で、国際金融センターとしてのロンドンの役割はどう変化するだろうか… ビジネス界のスター・ブレマーが語る“Gゼロ時代” 国際関係において圧倒的なリーダー的立場の国家が不在となった現代。その状況を分析し、「Gゼロの時代」が到来したと評しているの… 日銀マイナス金利への批判が筋違いな三つの理由 1月29日のいわゆるマイナス金利導入以来、日銀に対する風当たりが急速に強まっている。景気の低迷に加えて、政策意図に反する円… 経済復活に避けて通れない「柔軟な雇用制度実現」 金融、財政、構造改革に関する施策を通じて日本経済を再生させる努力を3年にわたって続けながら、アベノミクスはいまだに日本人を… 訪日観光3000万人がもたらす人と人との国際理解 訪日外国人旅行者数が昨年、45年ぶりに出国日本人数を上回った。とりわけ中国をはじめとするアジアからの観光客の伸びは著しく、… 新ビジネスAirbnbとUberを生かす規制緩和を いま、ネットやスマホを活用した二つの新たなビジネスが話題をさらっている。「エアビーアンドビー(Airbnb)」と「ウーバー… そろそろ待ったなし日本も外国人材受け入れ議論を 安倍晋三首相が昨年「新三本の矢」を打ち出した問題意識の背景には、日本経済の成長を阻む、人材の「供給制約の解消」がある。子育… 国際金融規制強化の動きには「落とし穴」がある 金融庁の森信親長官が国際金融規制強化の流れに疑問を呈する講演を、最近、矢継ぎ早に行っていることが、話題を呼んでいる。 国際… 膨張する医療費 壁は高いが制度改革が必要だ 厚生労働省は、100歳を迎える全ての国民に記念品として贈る銀杯の予算を半分に削減する。来年度から、銀杯は純銀製ではなくニッ… 安倍政権の「新三本の矢」は年金不安を取り除けるか 日本経済の再生に向けて、安倍総理は新たな三本の矢を打ち出した。その内容は、国内総生産(GDP)600兆円の達成を目標とした… 米利上げに金融市場はなぜここまで大騒ぎするのか!? すったもんだの末、米連邦準備制度理事会(FRB)は9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決めた。FRB… 「物言う株主」が企業経営の慣れ合いを変える アベノミクスの第一の矢である大胆な金融政策が、デフレ脱却に向け一定の成果を上げていることには、ほぼ異論がなかろう。しかし、… 人民元の「段階的切り下げ」シナリオが進む!? 人民元切り下げと中国経済の変調(3) 中国の景気失速懸念をきっかけにした株式市場の世界的な動揺は続いている。発端となった突然… 中国経済の失速は日本にどれだけ影響するか!? 人民元切り下げと中国経済の変調(2) 中国発の世界金融市場の動揺は続いている。日経平均株価は8月24日、前週末に比べ900円… 「中国発」の世界恐慌はあるのか!? 人民元切り下げと中国経済の変調(1) 中国経済が失速しているとの懸念が急激に広がっている。リーマン・ショック後、リード役だっ… 中国官製バブル崩壊で習政権の経済政策は正念場 上海株の暴落を契機に、中国リスクが改めて注目を集めている。中国バブルが全面的に崩壊する前触れとするセンセーショナルな報道も… 空中戦のように飛び交う「追加緩和論議」に違和感 市場には、あいかわらず日銀による「追加緩和」に関する思惑が底流する一方、これ以上の緩和はむしろ逆効果という声も聞かれる。時… 超金融緩和政策の「出口」は政府の責任だ 現在の金融資本市場が意識する最大のテーマの一つは、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融緩和政策の転換である。FRBはす…