森岡浩 フォロー 姓氏研究家 1961年、高知県生まれ。早稲田大学在学中に独学で姓氏研究を始める。文献調査やフィールドワーク、統計を用いた実証的手法を用いる。2017年4月からNHK「人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ!」に出演。著書、多数。 (経歴は原則、執筆当時のものです) 仙台で発展したローカル百貨店の雄「藤崎」の藤﨑家 百貨店は冬の時代を迎えている。特に地方では次々と百貨店が閉店し、山形県のように県庁所在地に百貨店がなくなったところもある。… 五洋建設「スエズ運河拡張」で世界に飛躍した水野家 準大手ゼネコンの五洋建設は「海洋土木に特化した建設会社」(マリコン)だ。国内での知名度はあまり高くないが、難事業といわれた… 「ホチキスとクリップ」を広めたイトーキの伊藤家 ホチキスとクリップは、職場ではもちろん、家庭でも広く使われている文房具だ。このホチキスとクリップを1903(明治36)年に… 三菱「スリーダイヤ」の由来と巨大財閥築いた岩崎家 三菱は、三井とともに近代日本を代表する旧財閥系グループだ。三井家が江戸時代から続く呉服商だったのに対し、三菱グループは明治… 女子マラソン代表輩出「天満屋の伊原木家」岡山で発展 新型コロナウイルスの影響で東京オリンピック・パラリンピックは1年延期することになった。女子マラソン代表は、東京五輪の日本代… 「宇津救命丸」“かんの虫”に挑んだ創業家の400年 「夜泣き・かんむしに宇津(うづ)救命丸」――CMで一度は聞いたことがあるフレーズだろう。筆者は最初にこれを聞いたとき、夜泣… “ヤン坊マー坊”で全国的知名度「ヤンマー」の山岡家 1959年から2014年まで55年にわたって放送を続けた気象番組が「ヤン坊マー坊天気予報」だ。軽快な歌に合わせて、ヤン坊と… 「いいくすりです」太田胃散創業者は波乱の人生 最近はタレントの笑福亭鶴瓶やDAIGO、河北麻友子を起用し、「ありがとう、いいくすりです」のフレーズで有名なのが胃腸薬・太… 「水銀体温計に梅毒薬」森下仁丹の歴代ヒット商品 「仁丹」といえば口中清涼剤として有名だ。かつて銀色の小さな粒は携帯できる薬という位置づけだった。仁丹を販売する森下仁丹の前… 「オプジーボで脚光」老舗・小野薬品工業の小野家 小野薬品工業が製造・販売するがん免疫治療薬「オプジーボ」は、2018年にノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑(ほんじょ・た… 「養命酒」を作り続けて400年 創業家は信濃の塩沢家 かつては漫画家の加藤芳郎を、現在はお笑い芸人の藤井隆・タレントの乙葉夫妻を起用したのが養命酒のテレビCMだ。桂皮(けいひ)… 永六輔のCMで全国区に「浅田飴」創業家は堀内家 「せき・こえ・のどに浅田飴」。故・永六輔が登場したCMのフレーズで、一定の年齢以上の人は記憶にあるだろう。「飴(あめ)」と… 明治天皇に献上「あんぱんの木村屋總本店」の開発魂 「あんぱん」で有名な木村屋は、正式には「木村屋總本店」という。その名の通り木村家が創業して現在まで続いている。西洋からもた… 老舗・凮月堂「松平定信と水野忠邦」に愛された菓子店 江戸中期に寛政の改革を行った松平定信と、後期に天保の改革を断行した水野忠邦。江戸時代の三大改革のうち二つの改革を指揮したそ… 名古屋の2大繊維商社「タキヒヨーと瀧定」瀧家の躍進 名古屋市に「タキヒヨー」「瀧定(たきさだ)」という、二つの大きな繊維専門商社がある。両社はライバル企業でありながら、名古屋… 「お茶づけと東海道五十三次」食卓彩る永谷園の歴史 永谷園といえば「お茶づけ海苔(のり)」で有名だ。筆者は小学生のころ、1袋に1枚ついてくる歌川広重の「東海道五十三次」の浮世… コダック代理店からバイオ関連へ 老舗・長瀬産業の変革 大阪を拠点とする化学品専門商社の長瀬産業は2011年に、倒産したバイオ関連企業の林原グループを総額700億円で買収した。当… 「スカイツリーに甲子園球場」大林組“発祥は海運業” 先日、経営者向けの講演会で壇上に立った後に、ゼネコン大手・大林組の大林剛郎(たけお)会長(65)と話す機会があった。その際… 赤くて甘い「桃太郎トマト」生んだタキイ種苗の開発力 近年、リコピンを含む野菜として人気の高いトマトは、テレビの健康系情報バラエティーでも「体にいい野菜」と紹介されることが多い… 「果物食堂からパーラー」日本橋千疋屋総本店の185年 「サムライ弁蔵 水くわし売り出し百七十五年」という不思議なタイトルの社史がある。「水くわし」は現代仮名遣いに直すと「水菓子… 小田原「鈴廣」の鈴木家 かまぼこ手がけて154年 白身魚を材料とする「かまぼこ」は、古くは平安時代の文献にも見られるという。室町時代には「焼きかまぼこ」が存在し、現在のよう… “銭形平次”誕生のきっかけ 大阪のゼネコン・銭高組 近年、時代小説の人気が高い。中でも人気が高いのが、同心や岡っ引きが活躍する捕物帳だ。これまで多くのヒーローが生まれたが、最… 「セデスやポポン」分家から発展した塩野義製薬の由来 1964年から50年以上続くフジテレビの歌番組「ミュージックフェア」は、正式なタイトルが「シオノギ・ミュージックフェア」だ… 「路線価日本一」東京・銀座の鳩居堂“熊谷家”の来歴 毎年発表される路線価のニュースで、「東京・銀座の“鳩居堂前”が日本一高い」という話題を耳にしたことがある人は多いだろう。令… 清水エスパルスも傘下 物流の雄「鈴与」の多角化経営 静岡市清水区に本社を置く鈴与ホールディングス(HD)は、BtoB(企業間)の物流を手がける「鈴与」を中核に、現在140社に… 「ワンカップ大関」大ヒット 西宮の酒造業・長部家 日本酒を飲まない人でも知っている銘柄に「大関」がある。「ワンカップ大関」というカップ酒が有名だ。醸造元は大関株式会社で、本… 創業650年「饅頭の元祖」塩瀬総本家の“弟子相伝” 日本の老舗には和菓子の店が多い。江戸時代の大名や旗本など、上流階級では進物として和菓子は欠かせないもので、こうした御用を承… 「初代は信長の普請奉行」創業400年の竹中工務店 大阪・天王寺の「あべのハルカス」は2014年にオープンした地上60階、高さ300メートルの日本一の超高層ビルだ。この「あべ… カツオ節一筋300年「にんべん」高津家の先進性 和食は世界に誇る日本の文化だ。和食で重要な出汁(だし)に欠かせないカツオ節のトップ企業が「にんべん」である。経営するのは高… 新1万円札「渋沢栄一」を生んだ埼玉の豪農・渋沢家 4月9日に新紙幣のデザインが発表された。令和6(2024)年から1万円札のデザインは福沢諭吉から渋沢栄一に変更される。渋沢… 「人形は顔がいのち」創業300年の老舗・吉徳大光 五月人形やひな人形の老舗が吉徳である。吉徳の人形は、切れ長の美しい瞳と優しい表情が特徴で「顔がいのちのよーしーとーく~♪」… 「サロンパス」久光製薬経営者が“久光家”でない理由 鎮痛消炎貼付(ちょうふ)薬「サロンパス」を知らない人はおそらく少ないだろう。昭和9(1934)年に発売されて以来のロングセ… 銀座の雄「松屋百貨店」を育てた古屋家のM&A戦略 近年、阪急と阪神、三越と伊勢丹など百貨店の統合が進み、江戸時代から続いていた同族による経営がなくなりつつある。そうした中、… 歌舞伎座など歴史的名建築を手がける清水建設の来歴 歌舞伎座(第4、第5期)、国立代々木競技場(第1体育館)、2010年に架け替えられた山陰線の余部橋梁(きょうりょう、兵庫県… 「♪人形の久月」常識破りの“8段飾り”で躍進の歴史 正月が過ぎるとちまたではバレンタイン商戦が繰り広げられ、やがて3月の桃の節句に合わせるように「♪人形の久月(きゅうげつ)~… 名古屋の和菓子老舗「両口屋是清」に残る伝統と革新 名古屋城正門前の金シャチ横丁に平成30(2018)年3月、和カフェ「那古野茶屋(なごのちゃや)」がオープンした。スイーツだ… 「山は山でも山形屋」創業250年のりの伝統継ぐ老舗 近年、世界的に高い評価を得ている日本料理の中でも、最もポピュラーなのはすしだろう。今や世界中にすし店がある。当初、その見た… 「金鳥の夏、日本の夏」蚊取り線香開発した会社の名は 「金鳥の夏、日本の夏」という蚊取り線香のテレビCMがある。筆者が子供のころは、緑色で渦巻き形をした蚊取り線香は、夏に欠かせ… 和菓子の伝統を世界に発信「とらや」黒川家の変遷 2018年に韓国・平昌で開催された冬季五輪・パラリンピックではカーリングが注目を集めた。特に競技中のハーフタイムにおやつを… 「月桂冠」大倉家“皇室御用達”のブランド戦略 京都市伏見区の京阪本線中書島(ちゅうしょじま)駅から歩いて北に5分ほどのところに「月桂冠大倉記念館」がある。明治42(19… ロングセラー味ぽん「ミツカン中埜家」七人の又左衛門 三本線の下に丸をつけたミツカンのロゴは有名だ。ただその本社が、名古屋市から南に40キロほどの愛知県半田市にあることや、経営… 「K&K缶つま」が人気 食品商社の国分家300年史 2012年5月、東京・帝国ホテルで「国分(こくぶ)創業300周年感謝の集い」が開催された。取引先や同業者、マスコミ関係者、… 400年続く名古屋の名家「松坂屋百貨店」の伊藤家 名古屋の老舗百貨店「松坂屋」で創業家一族として最後の社長を務めた伊藤次郎左衛門祐洋(すけひろ)氏が今年7月2日、85歳で亡… 「三方よし」の理念持つ近江商人が祖 ふとんの西川家 近江商人という言葉を聞いたことがあるだろうか。伊勢商人と並んで、日本を代表する商人の名称だ。近江国(滋賀県)の東部、琵琶湖… 海外大手買収で注目 製薬業の名門「大阪・武田家」 今年5月、武田薬品工業がアイルランドの製薬大手シャイアーを買収したことがニュースになった。買収金額6兆8000億円は、日本… 国内屈指の「千町歩地主」新潟で栄えた新発田・市島家 明治から大正にかけて農地の集約が進み、多数の小作人を抱える大地主が各地に出現した。こうした、自らは農業を営まず小作料収入を… 千葉・野田しょうゆ産業の核「キッコーマンの茂木家」 しょうゆは、小麦や大豆を原料とする麹(こうじ)に食塩水を加え、発酵させて搾ることでできる。日本独特の調味料だが、今では海外… 「皇后陛下の実家」学者輩出する群馬・館林の正田家 戦前の日本には、「公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵」という華族制度があり、公的に認められた名家が存在した。戦後は、華族制度が廃… 「現金安売り掛け値なし」日本一の豪商になった三井家 江戸時代以降、多くの豪商・財閥が誕生した。中でも巨大な財閥といえば、三菱財閥の岩崎家、住友財閥の住友家、三井財閥の三井家の… 「中京実業界で存在感」350年続く名古屋・岡谷家 名古屋にある「岡谷鋼機」という会社をご存じだろうか。鉄鋼、機械などを扱う独立系商社で、連結子会社71社、持分法適用関連会社… 「君臨すれども統治せず」豪商の枠を超えた住友家 20年以上前のことだが、京都・洛東を歩いていたとき、急な雨に降られて近くにあった博物館に飛び込んだことがある。そこで青銅器… 江戸時代に大坂一の繁栄を誇った豪商「鴻池家」の優雅 「鴻池(こうのいけ)の犬」という上方落語がある。捨て犬の世話をしていた商家の丁稚(でっち)のもとから、豪商の鴻池家にもらわ… 菊正宗を生んだ神戸「嘉納家」と名門・灘校との関係 「くだらない」という言葉がある。「とるに足りない」という意味だが、語源は「江戸に下って来たものではない」ということだ。江戸…