
熊野英生の「けいざい新発見」
熊野英生 / 第一生命経済研究所 首席エコノミスト
長年にわたり日本経済・世界経済を分析している熊野英生さんが、経済ニュースや指標の変化などについて、そのウラに潜む本質に迫ります。経済の「あれっ?」と思う疑問にやさしい解説で答えます。
連載記事 67件
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コロナ打撃のリアル消費「デジタルシフト」で生き残る
熊野英生の「けいざい新発見」
コロナ禍の企業経営における教訓の一つは、特定の需要に大きく依存すると、万一、その需要がストップしたときに困るということでは…
2021年1月27日
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緩い「緊急事態宣言」経済損失を昨年4月と比較
熊野英生の「けいざい新発見」
政府は、新型コロナウイルスの感染拡大に対し、緊急事態宣言を再び発令した。期間は1月8日から2月7日まで。対象地域は東京都、…
2021年1月12日
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クルマ“電動化”へあと10年?「これから起こること」
熊野英生の「けいざい新発見」
菅義偉政権は、2050年の温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の方針を決めた。これに連動して、30…
2020年12月16日
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コロナ禍で増えた消費の上位に「公営ギャンブル」
熊野英生の「けいざい新発見」
コロナ禍で大きく伸びた消費とは何だろうか。経済産業省の「第3次産業活動指数」を使い、コロナ前(2020年1~2月の平均)と…
2020年12月2日
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AIとデジタル化の進展で「30年後になくなる職業」は
熊野英生の「けいざい新発見」
20年後、30年後に私たちはどのような仕事をしているだろうか。公的年金の支給額は実質的に減らされているだろうから、60~7…
2020年11月18日
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意外に安い「芸能人とスポーツ選手年収」コロナ影響は
熊野英生の「けいざい新発見」
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、最も経済的打撃が大きかった職業は何だろうか。おそらく、芸術、芸能、スポーツなど、…
2020年11月4日
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菅政権の「デジタル化」本質を誤ると幻滅に終わる
熊野英生の「けいざい新発見」
日本の「デジタル化」は大きく遅れている。特に行政では遅れが目立つ。だから、行政のデジタル化は果断に進めなければならない--…
2020年10月21日
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コロナ後の日本経済回復は「√」ルートの形になる?
熊野英生の「けいざい新発見」
国のリーダーが安倍晋三首相から菅義偉首相に代わり、メディアの注目が菅氏の言動に向く分、新型コロナウイルス問題や、それによっ…
2020年10月7日
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菅政権はアベノミクスと違う「経済成長」ができるか
熊野英生の「けいざい新発見」
安倍晋三政権が終わり、菅義偉政権が始まった。アベノミクスも終わってみれば、「功績はありました」ということになるのか。一見し…
2020年9月23日
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コロナ後が勝負 次期首相に求められる「政策構想力」
熊野英生の「けいざい新発見」
9月14日の自民党両院議員総会を経て、次の自民党総裁つまり次期首相は事実上、菅義偉氏に決まる見通しだ。だが、次期首相の政権…
2020年9月9日
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「菅・岸田・石破氏」誰の経済政策に期待感があるか
熊野英生の「けいざい新発見」
安倍晋三首相が辞任する意向を8月28日に明らかにした。この報道が午後2時過ぎにマーケットに伝わると、日経平均株価は600円…
2020年9月1日
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4~6月GDPでわかった「対コロナ持久戦」の本質
熊野英生の「けいざい新発見」
2020年4~6月の実質国内総生産(GDP)は年率換算マイナス27.8%となり、リーマン・ショック時を抜いて、戦後最悪の下…
2020年8月26日
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PCR検査が増えない理由に見る日本の根深い「組織病」
熊野英生の「けいざい新発見」
新型コロナウイルス問題に対して、日本はなぜ2~3月の段階でPCR検査(遺伝子検査)を増やすことができなかったのだろうか。今…
2020年8月12日
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消えたインバウンド「沖縄・京都は大打撃」の数値分析
熊野英生の「けいざい新発見」
新型コロナウイルスの感染拡大で、訪日外国人旅行者がほぼ消え「インバウンド観光需要」は壊滅状態だ。このコロナ禍がなければ、2…
2020年7月30日
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「コロナPCR検査」と「90年代不良債権処理」の類似点
熊野英生の「けいざい新発見」
新型コロナウイルスの新規感染者増加の勢いが衰えない。このまま増え続けると経済活動について何らかの規制や自粛要請が再び出され…
2020年7月15日
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コロナ自粛疲れ「リベンジ消費」の効果は8月まで?
熊野英生の「けいざい新発見」
新型コロナウイルスの感染拡大によって出されていた緊急事態宣言が5月中に解除され、6月以降、経済活動のスピードが徐々に上がっ…
2020年7月1日
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コロナ禍でも「日米株価はリバウンド」のナゾを解く
熊野英生の「けいざい新発見」
このところ、株価の上昇が少し速すぎないかという懸念があったが、日米の株価は6月中旬から乱高下を始めた。新型コロナウイルスの…
2020年6月17日
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「みんなのPCR検査」こそ日本経済回復の道
熊野英生の「けいざい新発見」
私たちは、目に見えないものを極度に恐れる。新型コロナウイルスのように実体がよく分からないものに対しては、特に人々の不安感が…
2020年6月3日
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テレワークになっても「日本の会社」は変わらない?
熊野英生の「けいざい新発見」
「不易流行」という言葉がある。「時代が移っても、変わらないものと変わっていくものがある」という意味だ。 コロナ禍に見舞われ…
2020年5月20日
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コロナ危機が収束しても「日本経済は全治2年」
熊野英生の「けいざい新発見」
新型コロナウイルスの感染拡大により、今後の日本の景気シナリオは厳しい見方になっている。 日本経済研究センターが民間エコノミ…
2020年5月6日
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コロナ禍で深刻化する「地価下落と不良債権」の不安
熊野英生の「けいざい新発見」
新型コロナウイルス感染の収束はまだ見えないが、その先にある懸念について予想してみたい。最初から答えを言えば、賃金と不動産賃…
2020年4月22日
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緊急経済対策「自粛に見合う額」本当に行き渡るのか
熊野英生の「けいざい新発見」
新型コロナウイルス感染拡大への対応として、政府は4月7日、事業規模108兆円にのぼる過去最大の経済対策を打ち出した。目玉は…
2020年4月9日
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新型コロナ対策「商品券や消費税ゼロ」は効くのか
熊野英生の「けいざい新発見」
新型コロナウイルスの感染拡大による経済への悪影響が長引きそうだ。企業の資金繰り支援や雇用調整助成金は、ともに止血効果は高い…
2020年3月25日
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新型コロナ「自粛不況」を回避する“2段階政策”とは
熊野英生の「けいざい新発見」
新型コロナウイルスの感染拡大が経済活動を直撃している。イベントや集合の自粛、小中高校の休校など異例の決定は、消費を中心に需…
2020年3月11日
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新型コロナ「疑心暗鬼の排除」に政府がやるべきこと
熊野英生の「けいざい新発見」
誰も事態を悪くしたいとは思わないのに、結果的に皆が望まない状態になる。こうした事態が今起きようとしている。新型コロナウイル…
2020年2月26日
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新型肺炎で日本経済は?「悲観と楽観」の両シナリオ
熊野英生の「けいざい新発見」
中国・武漢で発生した新型肺炎は、世界経済の不安の火種になっている。新型肺炎がいつ終息するのかは誰もわからない。先が見通せな…
2020年2月12日
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日本経済の活性化には「60歳以上の賃金」を上げるべし
熊野英生の「けいざい新発見」
今回は、公的年金に頼れなくなるかもしれない、私たちの老後について考える。将来、公的年金を受け取る年齢になって、その年金額が…
2020年1月29日
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五輪後に“油断は禁物”景気を押し下げる意外な要因
熊野英生の「けいざい新発見」
2020年の日本経済を考えるとき「東京五輪後」が焦点となる。改めて考え方を整理してみたい。 多くのエコノミストの見解は、2…
2020年1月15日
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「若者消費の縮小」が日本のデフレを加速させている
熊野英生の「けいざい新発見」
デフレ構造をつくる背景に「少子化・高齢化・人口減少」がある。それを示す一例として外食への支出減少がある。 外食産業にとって…
2019年12月18日
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米中対立に決定的影響「香港」は世界経済の最大リスク
熊野英生の「けいざい新発見」
香港問題はいま、世界情勢の最大リスクかもしれない。仮に、中国の武装警察が香港に突入すれば、米中関係は最悪の状態になる。経済…
2019年12月4日
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「タピオカはイノベーション」経済学でブームを斬る
熊野英生の「けいざい新発見」
タピオカブームは2019年を象徴する出来事だ。正直、18年もヒットしていて今年は終わると思っていた。予想に反して、需要の裾…
2019年11月20日
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増税後の「隠れた値下げ圧力」お店の負担が増えた?
熊野英生の「けいざい新発見」
消費税率が10%に上がって1カ月が過ぎた。実は増税が「値下げ圧力」につながっていることに注意したいと思う。 10月の経済デ…
2019年11月6日
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東京五輪後も日本経済は「緩やかに拡大」は本当か
熊野英生の「けいざい新発見」
目先の景気動向は、消費税率引き上げがどれくらい影響を及ぼすかが焦点になっている。それはそれで大切な要素だが、その後の202…
2019年10月23日
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増税還元「キャッシュレスと軽減税率」得をする人は?
熊野英生の「けいざい新発見」
消費税率が10月1日に上がった。食品(外食と酒を除く)と新聞には軽減税率の適用、キャッシュレス決済にはポイント還元など、さ…
2019年10月9日
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米国で検討「100年国債」あなたは買いますか?
熊野英生の「けいざい新発見」
世界の国債市場で8月中旬から9月初旬にかけて、ショッキングな出来事があった。日米欧の長期金利が異様なほどに低下したのだ。 …
2019年9月25日
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年金財政検証 政府の本音は「みんな働いてくれ」?
熊野英生の「けいざい新発見」
公的年金の将来見通しを示す「財政検証」が8月27日、厚生労働省から発表された。5年に1度の財政検証は前回は6月に発表された…
2019年9月11日
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「人口減少で縮む経済」私たちは何をすべきか
熊野英生の「けいざい新発見」
私たちは、長期的には日本の人口が大幅に減少すると知りつつも、将来の経済規模の縮小に、今はおびえることなく暮らしている。 理…
2019年8月28日
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「株価は9月に反転?」リスクは香港と米消費・雇用
熊野英生の「けいざい新発見」
トランプ米大統領の対中政策はうまく運んでいないと思う。制裁関税第4弾を発動したかと思えば、クリスマス商戦への悪影響を考えて…
2019年8月21日
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黒田日銀の“サラミ戦術”はいつまで効果ある?
熊野英生の「けいざい新発見」
日本銀行の黒田東彦総裁は、7月30日の金融政策決定会合の記者会見で、「景気の勢いが損なわれる恐れが高まる場合には、ちゅうち…
2019年8月7日
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日本経済を救う?「副業」を普及させる二つの条件
熊野英生の「けいざい新発見」
社員に対して、副業を解禁する会社が増えているという。厚生労働省は、モデル就業規則を2018年1月に見直し、「労働者は、勤務…
2019年7月31日
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年金問題「自助・自己責任」あおっても解決はしない
熊野英生の「けいざい新発見」
明治時代に大ヒットした著作に「西国立志編」というイギリスの作家の作品がある。300人以上の立志伝中の人々がどのようにして人…
2019年7月17日
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10月消費増税の影響は「五輪後」じわじわと出てくる
熊野英生の「けいざい新発見」
参議院選挙は7月4日公示、21日投開票が正式に決まった。衆参ダブル選挙にはならず、これで10月1日の消費税率10%への引き…
2019年7月3日
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「インバウンド消費」全盛だが気になる“底の浅さ”
熊野英生の「けいざい新発見」
外国人観光客の消費が、日本経済の支えになっていることは説明を要さないだろう。東京都内では、銀座や秋葉原は外国人であふれてい…
2019年6月19日
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「70歳まで働ける社会」国民感覚との耐えがたいズレ
熊野英生の「けいざい新発見」
政府の未来投資会議が、70歳まで働きたい人を企業が雇用継続することを、努力義務として企業に課すことを提案してきた。 過去、…
2019年6月5日
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「トランプ関税発動」でも日本経済は堅調か?
熊野英生の「けいざい新発見」
日本の景気は1~3月期の国内総生産(GDP)がプラスになったものの、米トランプ大統領によって揺さぶられている。米中貿易戦争…
2019年5月22日
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チキンレース「米中貿易摩擦」の日米経済への影響度
熊野英生の「けいざい新発見」
米国のトランプ政権は5月13日、中国への制裁関税第4弾として、iPhoneなども含む約3000億ドル(約33兆円)の中国製…
2019年5月16日
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AI到来で「エコノミスト」という職業はなくなる?
熊野英生の「けいざい新発見」
AI(人工知能)の技術進歩は、ディープラーニング(深層学習)によって一段のブレークスルーが起こったとされる。こうした話題の…
2019年4月24日
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新札発行で「50兆円タンス預金」はどうなるか?
熊野英生の「けいざい新発見」
政府は、2024年に現行紙幣を切り替えることを4月9日に発表した。現在、現金流通残高は100兆円あるが、そのうち流通してい…
2019年4月18日
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新元号「令和」消費押し上げ“経済効果”どれくらい?
熊野英生の「けいざい新発見」
新元号が「令和」に決まり、5月1日から令和元年がスタートする。新元号の経済効果は、マクロ経済にどのくらい好影響を及ぼすこと…
2019年4月10日
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景気情勢悪化「消費増税3度目の延期」はあるのか
熊野英生の「けいざい新発見」
景気情勢がにわかに怪しくなっている。中国経済の悪化が日本の輸出減少に飛び火して生産活動を落ち込ませている。これがどのくらい…
2019年3月27日
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上海株上昇の裏に潜む「日本の景気後退リスク」
熊野英生の「けいざい新発見」
世界各国の株価は2018年末あたりをボトムにして、2019年1~3月にかけて急反発している。特に上昇が著しいのは上海総合指…
2019年3月13日
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回復する日米株価「でも皆さん楽観的過ぎませんか?」
熊野英生の「けいざい新発見」
日経平均株価は、昨年末の12月26日に直近の安値1万8948円(取引中の安値)をつけた時は、「2万円割れして株価はどこまで…
2019年2月27日
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日本経済の活性化には中小企業の「輸出支援」が必要
熊野英生の「けいざい新発見」
日本経済の力量を十分に発揮し切っていない“伸び代”として、中小・中堅企業がある。特に輸出は、開拓できていない状態に近いので…
2019年2月13日
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「働き方改革」だけで生産性が上がるワケがない
熊野英生の「けいざい新発見」
この約1年間、ずっと考え続けてきたテーマがある。企業や国の生産性を高めるにはどうすればよいかという問題である。 少し挑発的…
2019年1月30日
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パウエルFRB議長の19年金融政策の「本音」を読む
熊野英生の「けいざい新発見」
昨年末の米国の株価は、文字通り乱高下した。投資家が弱気になったり、強気に変わったりしたからだ。 2019年の初めも、それを…
2019年1月16日
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米中激突や消費増税…今年の「経済リスク」を検証する
熊野英生の「けいざい新発見」
新年だから今年の経済のことを考えたい。ズバリ日本経済は、いくつかのリスクを乗り切れれば、安定成長が見込まれる。ただ、リスク…
2019年1月2日
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激しさ増す「米中対立」のはざまで日本の選択肢は何か
熊野英生の「けいざい新発見」
米中関係は、いよいよ抜き差しならない領域へと入ってきた。中国企業ファーウェイの副会長逮捕は、氷山の一角に過ぎない。問題は、…
2018年12月19日
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年金抑えて増税対策でばらまき 安倍政治のチグハグ感
熊野英生の「けいざい新発見」
消費税率が2019年10月に8%から10%へと引き上げられようとしている。安倍晋三政権は、増税のマイナスインパクトは重視し…
2018年12月5日
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シニアを安く働かせる「生涯現役」というスローガン
熊野英生の「けいざい新発見」
安倍晋三首相が3年間の任期延長を決め、そこで年金受給開始年齢を70歳超に選択できるように年金改正する方針を明らかにした。「…
2018年11月21日
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消費税対策の「キャッシュレス社会」は歓迎ですか?
熊野英生の「けいざい新発見」
来年10月に消費税率が2%引き上げられることへの対策として、政府は中小店舗でキャッシュレスで支払いをしたときに、2%のポイ…
2018年11月7日
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給料が下がる「生涯現役社会」ではデフレ脱却できない
熊野英生の「けいざい新発見」
まもなく平成が終わる。思えば平成時代の大半は、右肩下がりだった。良い時期は短くて、悪い時代が長く続く。それを象徴するのが給…
2018年11月3日
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世界の株価下落がそう簡単に止まりそうもない理由
熊野英生の「けいざい新発見」
日米株価の上下動(変動率=ボラティリティー)が大きくなっている。10月10日にニューヨーク市場の株価が前日比831ドルも急…
2018年10月24日
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「トランプ制裁関税」ブーメランで米国経済に悪影響
熊野英生の「けいざい新発見」
米中貿易戦争のダメージは今年の10~12月になると、いよいよ大きくなってくる。 米国は9月24日、中国に対する制裁関税の対…
2018年10月10日
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来年10月の消費増税は景気への影響が実は小さい?
熊野英生の「けいざい新発見」
2019年10月に消費税率が8%から10%へと引き上げられる予定である。自民党総裁選でも、その方針が安倍晋三首相によって確…
2018年9月26日
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高齢者が「消費税10%」に反発する切実な理由とは
熊野英生の「けいざい新発見」
増税は誰でも嫌うが、特に高齢者は消費税率の引き上げへの反対が強い。2019年10月には、8%の税率を10%へと引き上げる予…
2018年9月12日
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貿易戦争で米中が発動した「ドーピング政策」の悪夢
熊野英生の「けいざい新発見」
中国が、積極財政に転じるという。米中貿易戦争で、しばらくは関税率の引き上げ合戦を覚悟しなくてはいけないからだ。米国向けの輸…
2018年8月29日
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6月賃金3.6%増 働き方改革の余波が表れただけ?
熊野英生の「けいざい新発見」
6月の現金給与総額(パートを含む)が前年比3.6%増に上昇した。21年ぶりの高い伸び率だという。この上昇率には驚く。厚生労…
2018年8月15日