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全米桜祭りの裏側で渦巻く日中韓の思惑

清水憲司・毎日みらい創造ラボ
ポトマック川ほとりを彩る桜=米国ワシントンで2015年4月、清水憲司撮影
ポトマック川ほとりを彩る桜=米国ワシントンで2015年4月、清水憲司撮影

 今冬は例年にない積雪に見舞われたワシントン。ようやく桜が咲き始めた4月中旬、乗り合わせたバスの車内は、春の到来に話題が集中していた。近くに座った30代ぐらいの男性が「桜は日本人からの素晴らしい贈り物だよ」と言うと、運転手が大きくうなずいた。

 市街地に近いポトマック河畔の桜並木は、1912年、尾崎行雄・東京市長らが約3000本を贈ったのがはじまり。これを記念した「全米桜祭り」には毎年150万人が訪れる。

 約3週間にわたって開かれる桜祭りの期間中の最後の週末、メイン会場の目抜き通りには焼き鳥やたこ焼きなど、どの露店にも100メートル以上の行列ができ、身動きするのも難しいほど。近郊に住む日本人が着物の着付け、けん玉、おはしを使ったゲームといった手作りのコーナーを数多く出店し、こちらもてんてこ舞いの様子だった。

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毎日みらい創造ラボ

毎日新聞のファミリービジネス・メディア「リファラバ」編集長。前橋支局、経済部、ワシントン支局など。「日本経済再生のカギはファミリービジネスにあり」と考え、リファラバを立ち上げ。