上空から見た日本銀行旧館=東京都中央区で2015年5月24日、本社ヘリから望月亮一撮影
上空から見た日本銀行旧館=東京都中央区で2015年5月24日、本社ヘリから望月亮一撮影

 現在の金融資本市場が意識する最大のテーマの一つは、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融緩和政策の転換である。FRBはすでに国債等金融資産の大量定期購入を取りやめる「テーパリング」を実施しており、目下、市場の関心は、いつFRBが利上げに踏み切るかに集中している。

 一方、日本では、日銀による「追加緩和」の是非が市場の関心事項であり、超金融緩和政策からの「出口」をめぐる議論はなぜか時期尚早とされる。確かに、消費者物価の上昇率は、消費税引き上げ要因を除くと、現在ゼロ%近傍にとどまっており、日銀が物価安定の尺度としている2%を大きく下回っている。景気の先行きも、なお不透明だ。

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平野英治

平野英治

メットライフ生命副会長・元日銀理事

1950年生まれ。73年、一橋大学経済学部を卒業後、日本銀行に入行。33年あまりの勤務で国際局長や国際関係担当理事を歴任した。金融政策、国際金融の専門家で、金融機関の監督にも手腕をふるった。2006年に日銀理事を退任後、トヨタ自動車グループのトヨタファイナンシャルサービス株式会社に転じ、14年6月まで副社長を務めた。同年9月、メットライフ生命保険日本法人の副会長に就任。経済同友会幹事としても活動している。