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一口飲むと虜になる、1本1000円の牛乳

小高朋子・旅食ライター・カメラマン
なかほら牧場の牛乳。甘く優しい香りがする=小高朋子撮影
なかほら牧場の牛乳。甘く優しい香りがする=小高朋子撮影

 国内各地には数多くの魅力的な一品がある。農産物から伝統産業によるものまで、その土地の環境や特性などが生かされており、知る人ぞ知る存在だ。そんな一品の特徴から携わる人々の思いや土地の魅力を紹介していく。

自然のまま 成熟させる味わい

 なかほら牧場の牛乳は、720ミリリットルの4合ビン1本が1188円だ。

 スーパーマーケットで一般的に販売される牛乳が1000ミリリットルで200円前後の価格帯が多いことを考えると、かなりの高級品になる。しかしこの牛乳、一口飲むと虜(とりこ)になってしまう人が後を絶たない。全国の百貨店で行われる催事や物産展へのブース出店、キッチンカー出店の引き合いも多く、銀座、池袋、名古屋の百貨店内には常設の直営店も構えている。これらに通販の販売を含めた年商は2億円ほどだ。

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旅食ライター・カメラマン

1982年、神奈川県生まれ。アパレル業界、映像製作会社を経て、フリーランスに。持続可能なモノづくりの可能性を求めて各地を巡り、地域の食文化、工芸品、産業などを取材し、写真、映像も用いてその魅力を紹介している。現在、農業者向けのビジネススクール(オンラインアグリビジネススクール)にかかわり、各地の農業現場の取材を担当。旅と、おいしい食べものと日本酒が何よりも好き。