
先日、妻が「クローンタクシー」と思われるタクシーに乗り合わせた。
クローンタクシーというのは、外観も内装も正規タクシーと全く同一の偽タクシーだ。発行するレシートも正規タクシーと同じ。違いは、正規タクシーよりもメーターが回るペースが速く、レシートに印刷された連絡先などがデタラメということぐらいだ。外観だけでは判別がつかないほど本物そっくりのため、「克隆(kelong)」と呼ばれている。
妻は、いつも行く病院に向かう際に遭遇した。どんなに渋滞していても20元(約400円)程度の距離なのに、30元以上のメーター料金を請求されたため、「おかしい。偽タクシーじゃないの?」と抗議したところ、運転手が「20元でいい」とあっさり折れたという。
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井出晋平
毎日新聞経済部副部長(前北京特派員)
1975年、長野県生まれ。慶応義塾大文学部卒。98年毎日新聞社入社。神戸支局、富山支局を経て大阪本社経済部で電機、繊維・薬品、電鉄業界などを担当。2009年4月に東京本社経済部に移り、金融庁、商社・流通、日銀などを担当し、12年4月から中国総局。16年4月から経済部。30歳から中国語の勉強を始め、台湾に短期留学した。