グローバルWorld Watch(ワールド・ウオッチ)

内部分裂に苦しんだビンラディンの晩年

及川正也 / 論説委員

 歴史の真実は、薄いセロハンを一枚一枚はぐようにして、少しずつ見えてくるものだ。やっかいな作業だが、真実に迫る過程では多くの意外な事実と遭遇することがある。

 ニューヨークの世界貿易センタービルとワシントン郊外の国防総省などを標的とした前代未聞の航空機テロ攻撃を指揮したウサマ・ビンラディン容疑者。全世界を震撼(しんかん)させた2001年米同時多発テロの首謀者の晩年の実像は、国際テロ組織アルカイダを率い、反米イスラム過激派の頂点に君臨した「権力者」の姿とは、ほど遠かった。

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及川正也

及川正也

論説委員

1961年、神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。88年毎日新聞社に入社。水戸支局を経て、92年政治部。自民党下野から自社さ政権、野党再編などを経て民主党政権に至る激動の日本政界を20年余り追い続けた。2005年からワシントン特派員として米政界や外交を取材。13年北米総局長。16年4月から論説委員。