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iPhone6を2年間で約4万円安く使う簡単ワザ

石野純也 / ケータイジャーナリスト

 「格安スマホ」として販売されるスマホのほとんどは、グーグルが開発した基本ソフト(OS)のAndroid(アンドロイド)を搭載している。中程度の性能のスマホなら3万円ほど、高機能なものだと5万円前後になる。大手通信事業者から回線を借りて事業を行うMVNOも、こうした端末を取り扱っており、回線契約と一緒に端末を購入することができる。

 とはいえ、端末はiPhone(アイフォーン)をどうしても使いたいという人もいるだろう。最近では性能差もなくなりつつあるが、AndroidとiPhoneでは、搭載しているOSが異なるため、使い勝手も変わってしまう。Androidにするとアプリも買い直さなければならず、経済的な負担もかかる。

アップルの直接販売でSIMフリーのiPhoneを手に入れる

 実はそんな人のために、アップル自身がiPhoneを直接販売している。どの通信事業者のSIMカードを挿しても動く、「SIMフリー」でだ。アップルストアからオンライで購入できる。最新のiPhone6だと価格は9万3744円(16GB)から。AndroidのSIMフリー端末より高いが、分割払いもできる。

 大手通信事業者だと、「実質0円」で売られていることもあり、9万円以上という価格は高いと感じるかもしれない。ただ、端末の価格そのものは、大手通信事業者で買ってもほぼ同じだ。

iPhoneは、大手通信事業者だけでなく、端末メーカーのアップル自身も販売を行っている
iPhoneは、大手通信事業者だけでなく、端末メーカーのアップル自身も販売を行っている

 たとえば、ドコモのiPhone6(16GB)は本体価格8万4240円。アップルよりやや安いが、それでも1万円の差はない。新規契約では「実質負担金」として9720円という金額が提示されている。だが、これは毎月の通信料金に対する割引を差し引いた仮の価格だ。大手通信事業者の通信料がMVNOより高いことを考えると、割引を受けても得になるとは限らない。トータルコストで比較してみることが重要になる。

MVNOと契約すれば2年間で約4万3000円おトク

 仮に2年間、ドコモでiPhone6(16GB)を使い続けたとしよう。毎月かかるお金は、iPhone6の分割金3510円に加え、通信料金がかかる。データを毎月2GBまで使える最安のプランを契約すると、通信・通話料は計7020円。端末代との合計で1万530円になる。iPhone6を新規で契約すると、通信料に対して毎月3105円の割引を受けられるため、トータルでは7425円になり、24カ月で17万8200円だ。

 これに対し、同じく16GBのiPhone6をSIMフリーで買うと9万3744円。MVNOはIIJmioの「みおふぉん」というサービスを選び、毎月3GBまでデータ通信を使える「ミニマムスタートプラン」に加入したとする。ミニマムスタートプランの料金は毎月1728円のため、24カ月で4万1472円。iPhone6の本体代を合算すると、金額は13万5216円だ。ドコモよりおよそ4万3000円割安になることが分かる。

 もっとも、IIJmioの場合、通話料金は従量制で30秒あたり20円が追加で必要になる。電話を多く使うなら、定額プランが必須のドコモの方がお得になるケースもある。

電話は無料通話アプリを活用する

 大手3社が同じ端末を販売していることもあり、iPhoneに対しては通信事業者が戦略的に割引を厚くしている。MVNOで使った時との差が小さくなるのは、そのためだ。安く済まそうと思ったら、無料通話アプリや、通話料を下げる電話アプリを使うなどして、節約する手間も必要になる。

価格は9万3744円とAndroidに比べると高いが、MVNOで毎月の通信料を節約することも可能だ
価格は9万3744円とAndroidに比べると高いが、MVNOで毎月の通信料を節約することも可能だ

 また、通信の仕様の問題があり、auの回線を使ったMVNOではiPhoneが利用できない点にも注意が必要だ。

 ただし、これはあくまでもiPhone6に買い直したときの話。すでにiPhoneを使っている人は、端末はそのままで回線だけを変える手もある。とはいえ、現状では通信事業者が販売するiPhoneには「SIMロック」と呼ばれるロックがかかっていて、販売元のSIMカードしか読み込まない。本来ならドコモで買ったiPhoneはドコモで、auで買ったiPhoneはauでしか使えないのだ。

 ところが、MVNOは先に述べたとおり、大手通信事業者から回線を借りており、SIMカードもまったく同じものをレンタルしている。そのため、端末からは回線を貸す通信事業者と、そのMVNOの区別がつかない。つまり、ドコモのMVNOならドコモと認識する。このため、SIMロックがかかったままのiPhoneでも、MVNOさえ注意して選べば利用できるということだ。

ムダな出費はできるだけ避けよう!!

 iPhoneを例に説明したが、仕組みはAndroidも同じ。割引が終了したあと、同じ端末を使い続けるなら、MVNOに移って毎月の利用料を抑えるのも選択肢の一つ。この仕組みを覚えておくと、無駄な出費は避けられるはずだ。

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石野純也

石野純也

ケータイジャーナリスト

1978年、静岡県生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。2001年、宝島社に入社。当時急速に利用者数を伸ばしていた携帯電話関連のムック編集に携わる。05年には独立してフリーランスのジャーナリスト/ライターに転身。通信事業者、携帯電話メーカー、コンテンツプロバイダーなどを取材、幅広い媒体に原稿を執筆する。業界動向を記したビジネス書から、端末の解説書まで著書も多い。

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