海外特派員リポート

車大国アメリカでリニアが走る日は来るのか

清水憲司・毎日新聞経済部記者(前ワシントン特派員)
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山梨県の実験線でリニアに試乗し、興奮した様子を見せるホーガン米メリーランド州知事(前列右)=JR東海提供
山梨県の実験線でリニアに試乗し、興奮した様子を見せるホーガン米メリーランド州知事(前列右)=JR東海提供

 ワシントンの地下鉄は、なかなかやっかいだ。急停車、急発進の繰り返しで気分が悪くなるし、車両の調子が悪いのか、進んだり止まったりしたあげく、運行を突然やめて途中駅で降ろされることもある。乗客たちは少々のことは気にしないが、朝のラッシュ時にこれが起きた時には「くそっ」「どうなっているんだ」と怒号がわき起こった。

 日本のような運行システムを導入すれば、ダイヤは正確になり、運行本数も増やせて乗客増につながるはず。なぜそうしないのか疑問だったが、知人の鉄道関係者によると、米国の鉄道はビジネスではなく「社会福祉」だからだそうだ。鉄道はすべて公営だ。つまり鉄道はクルマを買えない人たちに移動手段を提供する福祉サービス。だから連邦政府も州政府も投資を抑えようとする。

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清水憲司

毎日新聞経済部記者(前ワシントン特派員)

 1975年、宮城県生まれ。高校時代まで長野県で過ごし、東京大学文学部を卒業後、99年毎日新聞社に入社。前橋支局を経て、東京経済部で流通・商社、金融庁、財務省、日銀、エネルギー・東京電力などを担当した。2014~18年には北米総局(ワシントン)で、米国経済や企業動向のほか、通商問題などオバマ、トランプ両政権の経済政策を取材した。