日本銀行(右)と大手町方面のビル群=川村彰撮影
日本銀行(右)と大手町方面のビル群=川村彰撮影

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空中戦のように飛び交う「追加緩和論議」に違和感

平野英治 / メットライフ生命副会長・元日銀理事

 市場には、あいかわらず日銀による「追加緩和」に関する思惑が底流する一方、これ以上の緩和はむしろ逆効果という声も聞かれる。時に、こうした「追加緩和」に対する賛否が、空中戦のように飛び交うことがあるが、違和感を覚えるのは筆者だけだろうか。追加緩和にどのような立場をとるにせよ、日銀の緩和政策の波及メカニズムに対する共通認識がない限り、議論がかみ合うはずがない。

 この点、日銀が5月に公表した「量的・質的金融緩和:2年間の効果の検証」と題するペーパーは、緩和論議…

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平野英治

平野英治

メットライフ生命副会長・元日銀理事

1950年生まれ。73年、一橋大学経済学部を卒業後、日本銀行に入行。33年あまりの勤務で国際局長や国際関係担当理事を歴任した。金融政策、国際金融の専門家で、金融機関の監督にも手腕をふるった。2006年に日銀理事を退任後、トヨタ自動車グループのトヨタファイナンシャルサービス株式会社に転じ、14年6月まで副社長を務めた。同年9月、メットライフ生命保険日本法人の副会長に就任。経済同友会幹事としても活動している。