
お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さん(35)のベストセラー小説「火花」(文芸春秋刊)が芥川賞候補になった。(編集部注;「火花」はその後、第153回芥川賞を受賞しました)本格的な純文学作品で、「人気芸人の作品という話題作り」と切り捨てられない中身を持つ。
又吉さんは1980年大阪府生まれ。吉本総合芸能学院(NSC)東京校を経て2003年、お笑いコンビ「ピース」を結成した。読書好き、本屋好きとして知られ、著書に「第2図書係補佐」などがある。NHK教育テレビの経済番組「オイコノミア」にレギュラー出演するほか、バラエティー番組にも引っ張りだこだ。
「火花」は又吉さん初の純文学小説。3月の刊行以来、発行部数は54万部(6月末)。文芸評論家の重里徹也・聖徳大教授が、又吉文学の魅力を読み解いた。
この記事は有料記事です。
残り1730文字(全文2076文字)
投稿にはログインが必要です。
重里徹也
文芸評論家、聖徳大教授
1957年、大阪市生まれ。大阪外国語大(現・大阪大外国語学部)ロシア語学科卒。82年、毎日新聞に入社。東京本社学芸部長、論説委員などを歴任。2015年春から聖徳大教授。著書に「文学館への旅」(毎日新聞社)、共著に「村上春樹で世界を読む」(祥伝社) などがある。