ビジネスマンの投資術

自社株投資にはのめり込まない方がいい

広木隆・マネックス証券チーフ・ストラテジスト
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東京都内で=関口純撮影
東京都内で=関口純撮影

 あなたがもし上場企業にお勤めの場合、ご自身の勤務先の株に投資するのがいちばんいいのだろうか。なにしろ、自分が働いている会社だ。全上場企業のなかでいちばんよくわかっているはずである。

 ここで問題がいくつかある。まず、「自分の会社のことはいちばんよくわかっている」という点だ。中小企業ならいざ知らず、上場企業となったら大企業だ。そのような大企業ならば、自分の担当部署以外の事情については案外、知らないことが多いことがある。まして会社全体の状況に通じているのはごく少数の経営陣だけだろう。

 「自分の会社のことはいちばんよくわかっている」という「思い込み」がアダになる場合もあるのだ。

 例えば、2期ぶりに赤字転落となった某電機メーカー。経営者は経営危機の再燃を防ぐどころか、業績の急速な悪化にも気付けなかった。決算直前に財務部門から赤字転落を告げられた。それまでは社長でさえ本当の業績を把握できていなかったという。

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広木隆

マネックス証券チーフ・ストラテジスト

1963年、東京都生まれ。上智大学外国語学部卒業。国内銀行系投資顧問、外資系運用会社などの運用機関でファンドマネジャーを歴任。2010年から現職。経験と知識に基づいた金融市場の分析を行う。著書に「勝てるROE投資術」(日本経済新聞出版社)など。マネックス証券ウェブサイトで、最新ストラテジーレポートが閲覧できる。http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G903/strategy/index.htm