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白人優位の象徴「南軍旗」で波紋 南北戦争終結から150年

及川正也・論説委員
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サウスカロライナ州チャールストンにあるマグノリア墓地に翻る南軍旗
サウスカロライナ州チャールストンにあるマグノリア墓地に翻る南軍旗

 奴隷制廃止を訴えるリンカーン米大統領が、南部連合軍に包囲されたサウスカロライナ州チャールストン沖のサムター要塞(ようさい)への食料補給に踏み切ったのは、1861年4月。この要塞は、南部7州による連合国が結成されても連邦軍への忠誠を誓い、大統領就任式で合衆国国旗「星条旗」が掲げられた、数少ない南部の軍施設だった。

 だが、補給船は南軍の砲撃で撤退を余儀なくされ、駐留部隊も要塞を明け渡した。城壁に掲げられた星条旗は降ろされ、制定されたばかりの南部連合国旗が掲げられた。ピケンズ知事は誇らしげにこう言ったという。「星条旗を史上初めて平伏させた」。この発言が合衆国の愛国心に火を付け、米国は内戦へと陥っていく──。

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及川正也

論説委員

1961年、神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。88年毎日新聞社に入社。水戸支局を経て、92年政治部。自民党下野から自社さ政権、野党再編などを経て民主党政権に至る激動の日本政界を20年余り追い続けた。2005年からワシントン特派員として米政界や外交を取材。13年北米総局長。16年4月から論説委員。