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セクハラからマタハラへ26年、社会は変わったのか?

山田道子・元サンデー毎日編集長

 最近、新聞の紙面に「○○ハラ」がよく躍る。

 「マタハラ防止 法整備/政府方針 理系女性育成促す」(毎日新聞6月24日朝刊)、「首相、マタハラ根絶に決意」(同6月30日朝刊)。「マタハラ」すなわち、妊娠・出産を理由にした職場での嫌がらせ、「マタニティーハラスメント」の根絶に、政府あげて取り組もう、という記事には、「少しは世の中変わったのかも」と思った。 

 実は、毎日新聞の紙面でセクハラに関するまとまった記事を初めて書いたのは私。1989年9月30日の夕刊トップ。見出しは「セクシュアル・ハラスメント/職場での性的いやがらせ許せない/『新たな女性差別』」だ。当時、私は社会部の記者だった。

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元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。