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中国官製バブル崩壊で習政権の経済政策は正念場

平野英治・メットライフ生命副会長・元日銀理事
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バンドン会議開催60周年を記念し、当時、会議場のあった周辺を練り歩く中国の習近平国家主席(前列中央)=インドネシア・バンドンで2015年4月24日、平野光芳撮影
バンドン会議開催60周年を記念し、当時、会議場のあった周辺を練り歩く中国の習近平国家主席(前列中央)=インドネシア・バンドンで2015年4月24日、平野光芳撮影

 上海株の暴落を契機に、中国リスクが改めて注目を集めている。中国バブルが全面的に崩壊する前触れとするセンセーショナルな報道もみられるが、筆者はそのような立場をとらない。むしろ、明らかな株価バブルが崩壊したことは、中国にとってラッキーであったと考える。問題は、今回の出来事から、中国当局が正しい教訓を汲み取ることができるかどうかだ。

 まず、上海総合株価指数の推移をおさらいしてみよう。2014年7月頃から上昇を始めた株価は1年余りの間に急騰、ピークの本年6月12日には、1年前の約2.5倍の水準に達した。その後、7月上旬にかけ約3割下落。この間、金融緩和、株式の売却制限、機関投資家による株価購入促進、信用取引規制の緩和、新規株式公開(IPO)の一時見送りなど、当局によるいわばなりふり構わぬ株価下支え策により、現在市場はかろうじて…

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平野英治

メットライフ生命副会長・元日銀理事

1950年生まれ。73年、一橋大学経済学部を卒業後、日本銀行に入行。33年あまりの勤務で国際局長や国際関係担当理事を歴任した。金融政策、国際金融の専門家で、金融機関の監督にも手腕をふるった。2006年に日銀理事を退任後、トヨタ自動車グループのトヨタファイナンシャルサービス株式会社に転じ、14年6月まで副社長を務めた。同年9月、メットライフ生命保険日本法人の副会長に就任。経済同友会幹事としても活動している。