須田慎一郎の「一刀両断」

再建の主導権を握れなかった全日空の大誤算

須田慎一郎・経済ジャーナリスト
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スカイマーク支援に名を連ね、会見に同席するANAホールディングスの長峯豊之上席執行役員(右端)=2015年4月22日
スカイマーク支援に名を連ね、会見に同席するANAホールディングスの長峯豊之上席執行役員(右端)=2015年4月22日

 このシリーズ第1回で、全日空がスカイマーク支援企業に名を連ねることに成功したいきさつをリポートし、さらに全日空に思わぬ“誤算”が待っていた、と記した。

 その誤算とは、スカイマークに対する出資比率で、全日空陣営が過半数を押さえることができなかったことにほかならない。ここで言う「全日空陣営」とは、ANAホールディングス、同社のメインバンクである三井住友銀行、日本政策投資銀行の3社である。

 当初この3社は、債権者集会で承認を目指しているスカイマークの経営再建プラン、いわゆる「スカイマーク案」の中で、3社トータルで50%以上の出資比率を確保すべく交渉を進めていた。ここでの交渉当事者は、インテグラルと全日空。ところが交渉は大きく難航し、決裂寸前の状況に陥ってしまったのである。

 「それというのも、全日空サイドが80%の出資比率を要求したからです。もちろんインテグラルサイドは激しく反発しました。このため交渉は完全に膠着(こうちゃく)状態に陥ってしまったのです」(行司役を務める東京地裁の関係者)

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須田慎一郎

経済ジャーナリスト

1961年、東京生まれ。日本大学経済学部卒。経済紙の記者を経て、フリー・ジャーナリストに。「夕刊フジ」「週刊ポスト」「週刊新潮」などで執筆活動を続けるかたわら、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」、読売テレビ「そこまで言って委員会NP」ほか、テレビ、ラジオの報道番組等で活躍中。