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「IT野菜」が市場に広がる日は間近だ

林信行・ITジャーナリスト

 米カリフォルニア州のジョーダン・ワイナリーでは、iPadを活用している。ブドウ畑を見て回ってブドウの葉の状態が悪い箇所があると、その写真をiPadでパシャリと撮影する。スマートフォンやタブレットの写真は撮影者が許可すれば、写真データにGPS(全地球測位システム)情報が自動的に記録されるので、撮影した写真がそのまま要注意箇所のマップとなる。

 実はAgCode(アグコード)というブドウ畑管理専用のアプリがあり、害虫情報の管理から農機具の管理、収穫時期に雇う人々の契約や給与の管理までこなすことができる。同ワイナリーはこれに加え、ワインを熟成させるタンク内の温度管理などもすべてiPadで見られるようにしている。

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ITジャーナリスト

1967年生まれ。アップルやグーグルの動向や技術、製品を継続的に取材対象としており、情報技術分野のテクノロジーに明るい。近年は、自動車やファッションなどのさまざまな業界におけるIT活用の取り組みに関心を持ち、人々の暮らしや社会にもたらす変化をテーマとしている。著書多数。