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ケータイ業界の「還元」「おトク」は優良誤認まがい

北俊一・野村総合研究所上席コンサルタント
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東京都内で=関口純撮影
東京都内で=関口純撮影

 携帯電話事業者は、消費者の関心を引きつけることに日々腐心している。これはあらゆる業界で行われていることだが、携帯電話業界には、良識や品格という言葉が欠如しているとしか思えない。言葉巧みに消費者を“優良誤認”させた者が勝ち、という卑しい考え方がいまだにまかり通っている。

使えなくなった「キャッシュバック」に代わって登場

 「家族5人なら最大約58万円還元」「家族4人だと今だけ57万円以上もおトク!」といった言葉がチラシに躍る。ごく最近のものだ。このチラシを見て、「こんなに多額の現金がもらえるのか!」と思ってケータイショップに駆け込んではいけない。ここには巧みなわなが仕掛けられている。「キャッシュバック」とは全く異なるのだ。

 「キャッシュバック」という言葉は2014年4月1日以降、ケータイショップの店頭やチラシから一斉に姿を消した。1回線契約当たり10万円を優に超える多額のMNP(同番号乗り換え)キャッシュバック合戦に対して、総務省からご指導が入ったからだ。

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北俊一

野村総合研究所上席コンサルタント

1965年、横浜市生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修了。90年株式会社野村総合研究所入社。四半世紀にわたり、情報通信関連領域における調査・コンサルティング業務に従事。専門は、競争戦略、事業戦略、マーケティング戦略立案及び情報通信政策策定支援。総務省情報通信審議会専門委員。