最適メディアライフ

「携帯料金引き下げ」安倍首相指示の真の狙いは?

北俊一・野村総合研究所上席コンサルタント
  • 文字
  • 印刷
経済財政諮問会議の終わりにあいさつする安倍晋三首相(左から2人目)。中央奥は高市早苗総務相=首相官邸で2015年9月11日、藤井太郎撮影
経済財政諮問会議の終わりにあいさつする安倍晋三首相(左から2人目)。中央奥は高市早苗総務相=首相官邸で2015年9月11日、藤井太郎撮影

 14日、15日と、携帯電話事業者3社の株価が急落した。11日に開かれた経済財政諮問会議で、安倍晋三首相が、携帯電話料金の家計負担軽減が大きな課題だとして、高市早苗総務相に対して料金引き下げの検討を指示したというニュースが流れたためだ。2日間で3事業者の時価総額は、2兆円以上減少した。

諮問会議で「競争による料金引き下げ」を学者ら提言

 諮問会議の資料を見てみよう。同会議の構成員である伊藤元重・東京大学大学院経済学研究科教授ら4人の連名で、「経済の好循環の拡大・深化に向けたアジェンダ」という資料が提出されている。最優先で取り組むべき四つの課題の一つとして、「雇用・所得環境の改善や子育て支援・少子化対策の強化を通じて、家計を元気にし、消費を活性化する」を掲げ、そのための手段の一つとして、「家計支出に占める割合が高まっている情報通信の競争環境の整備」を挙げている。唐突感を感じざるを得ない。恐らく、誰かが差し込んだものだろう。

 <経済の好循環の拡大・深化に向けたアジェンダ>

この記事は有料記事です。

残り2806文字(全文3244文字)

北俊一

野村総合研究所上席コンサルタント

1965年、横浜市生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修了。90年株式会社野村総合研究所入社。四半世紀にわたり、情報通信関連領域における調査・コンサルティング業務に従事。専門は、競争戦略、事業戦略、マーケティング戦略立案及び情報通信政策策定支援。総務省情報通信審議会専門委員。