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失敗すると職を失う「保育園探し」の一寸先は闇

藤田結子・明治大商学部教授
午前8時46分、お母さんと一緒に保育園に向かう子供たち=埼玉県鶴ヶ島市で、関口純撮影
午前8時46分、お母さんと一緒に保育園に向かう子供たち=埼玉県鶴ヶ島市で、関口純撮影

 秋の気配が深まると「保活」追い込みの季節です。都市部で働く母親にとって、子供を保育園に入れる活動「保活」は、失敗すると仕事を失いかねないほどに重大です。待機児童が多い東京都の保育サービスを例に見てみましょう。

質が高く保育料も安い公立認可保育園に希望者殺到

 保育サービスは、施設・園庭の広さや保育士の数、保育内容によって分類されています。東京都では認可保育園、認証保育園、認定こども園などに分かれています。

 中でも区・市立の認可保育園は望み得る最高ランクの保育サービスです。部屋や園庭が広く、保育の質も高く、所得によって保育料が決まる仕組みなので、収入が低いと保育料も安く済みます。当然、競争率は上がります。

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明治大商学部教授

東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。