
すったもんだの末、米連邦準備制度理事会(FRB)は9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決めた。FRBの金融政策運営をめぐっては、年初来、さまざまな臆測が飛び交っていたが、世界同時株安や不透明感を高める中国情勢を含めた国際経済金融情勢の不安性増大もあり、当面事態の展開を慎重に見極める姿勢を明確にしたということであろう。しかし、米国の金融政策運営をめぐる思惑に、市場が振り回される状況は、好むと好まないとにかかわらず、今後も続かざるを得まい。
ところで、米国の金融政策運営に、なぜこれほどの注目が集まるのだろうか。米国経済が世界最大の経済であることももちろんあるが、多少の金利引き上げが、堅調な米国景気に与える直接的な影響は限定的だ。むしろ、米国の利上げが、もともと経済実態が脆弱(ぜいじゃく)な新興国からの資本流出を促し、国際金融市場不安定化の火種となることが、懸念されているのであろう。
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