青春小説の系譜

伊坂幸太郎「砂漠」 仙台で出会う“あの日の自分”

鶴谷真・毎日新聞学芸部記者
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仙台市の街並みと広瀬川
仙台市の街並みと広瀬川

 青春時代とは恥ずかしい日々だと思う。少なくとも私はあまり思い出したくない。九州の国立大学学生だった当時、周りの大人たちがことあるごとに「うらやましかねー」と口にするたび、首をかしげたものだ。親の仕送りがあり、健康にも恵まれて、何不自由なかったはずなのに、私はいつも鬱々としていた。故郷と同じく、青春時代は遠く過ぎ去ってから思い出すべきものなのかもしれない。

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鶴谷真

毎日新聞学芸部記者

1974年、神戸市出身。2002年毎日新聞社に入社し、岡山支局、京都支局を経て08年に大阪本社学芸部。13年秋から東京本社学芸部。文学を担当している。