部下を伸ばす上司 ダメにする上司

「上司に相談されたらがんばる」部下の本音は

細川義洋・ITコンサルタント
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 「主任! ちょっといいかなあ」──私が新卒で入ったIT企業に、一日に何度も部下を呼び出す課長がいました。呼び出すのは指示や連絡ではなく、相談のためです。経営会議に提出する資料の書き方や、プロジェクトの進め方などでした。1回数時間に及ぶこともあり、はたから見ていて「主任は迷惑だろうな」と思っていました。

 当の主任は、技術者として非常に優秀で、事業の方向性やあるべき組織の姿について明確な意見を持っていました。いつでも課長に取って代われるような人だったのです。一方、課長は、お世辞にも誇れるようなスキルもない人で、私たち若手社員の間では、「2人は立場が逆じゃないか?」などと話していました。

 あるとき主任に、「何でも相談する課長って迷惑じゃないですか?」と聞いたことがあります。すると主任は「僕はあの人の下だからやる気が出る」と言ったのです。意外な答えに驚きましたが、年がたって私自身が上司になった時、主任の言葉を逆の意味で実感することになりました。

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細川義洋

ITコンサルタント

1964年、神奈川県生まれ、立教大学経済学部経済学科卒。NECソフト(現NECソリューションイノベータ)、日本IBMでシステム開発やコンサルティングを行う。著書に「なぜ、システム開発は必ずモメるのか?」「IT専門調停委員が教える モメないプロジェクト管理77の鉄則」(日本実業出版社)などがある。