この酒場この一品

刺し身とピザが共存 イタリアン居酒屋の楽しみ

印束義則・ライター
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刺し身とピザの意外な組み合わせ
刺し身とピザの意外な組み合わせ

 専門性の高い店がもてはやされる時代だが、そんな中、「刺し身に始まりピザで終わる」という、意外な楽しみ方で人気の居酒屋がある。もちろん、何でもそろう総合居酒屋ではない。メニューの7割は洋風の「イタリアン居酒屋」だ。だが、軒下に赤ちょうちんがつるされていて、どこからどう見ても和風の店だ。

 しかも、店舗があるのは繁華街ではなく、東京ローカルの住宅街。そんなとがった売り方で人気なのが、東京・板橋の「君想ふ暮らし 新板橋店」(東京都板橋区板橋、都営地下鉄三田線新板橋駅徒歩1分、JR埼京線板橋駅徒歩3分、東武東上線下板橋駅徒歩8分)。通称“きみおも”として親しまれている。

 ほとんどのお客は最初に刺し身を注文し、次に一品料理を頼んで、ピザやパスタで締める。刺し身と日本酒を楽しんでいるお客の隣に、ワインを飲みながらピザを頬張るお客がいる光景が普通に見られる。

 刺し身の魚介は毎日築地から仕入れている。一人客は単品で、グループ客は盛り合わせで注文。ある日の「刺身五点盛り」(980円税込み、以下同)には、千葉の瞬〆(しゅんじめ)スズキ、気仙沼のカツオ、北海道の新サンマと真イワシ、青森のスルメイカ、岩手のサワラ、愛媛のマダイが盛られる。「商品名は五点盛りなのに、出てきたら七点盛り!」。そんなサプライズで1000円を切る、原価率60%のお値打ち商品なのだ。

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印束義則

ライター

1966年福岡県生まれ。飲食店専門誌を多数発行する旭屋出版で「すしの雑誌」など専門誌、ムック編集に携わり、独立後はライターとして幅広く活躍。これまでに取材した飲食店は2000店以上、ローカル立地の繁盛店などニッチな飲食店情報に強い。「月刊近代食堂」(旭屋出版)に「ローカル実力店の強さの秘訣」「繁盛店を作るメニュー表」、「日本外食新聞」(外食産業新聞社)に「二等立地…地方立地…ありえない立地 印束義則の繁盛店実況中継」を連載中。