稲穂が実り、稲刈りに励む農家=秋田県大仙市で2015年10月4日、池田一生撮影
稲穂が実り、稲刈りに励む農家=秋田県大仙市で2015年10月4日、池田一生撮影

政治・経済農業問題リポート

<TPP大筋合意>妥協と譲歩で消えた「自由貿易」の幻想

綿本裕樹 / 農業ジャーナリスト

 10月初め、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が大筋合意に至った。長期漂流が懸念される中での薄氷の合意に安倍政権は勢い付き、安保法制で賛否の割れたマスコミも肯定的な報道が大半だ。しかし、TPPは当初うたわれたような自由貿易の理念を実現するものなのか。具体的な合意内容からは全く違う様相が見える。

 政府は2年前、TPPで日本の実質GDPが3.2兆円伸びると試算した。貿易では輸入が2.9兆円増、輸出は2.6兆円増。つまり外需では0.3兆円マイナスだが、安い輸入品の流入効果などで消費が3兆円、投資が0.5兆円増え、差し引き3.2兆円のプラスになる、という計算だった。

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綿本裕樹

綿本裕樹

農業ジャーナリスト

大手メディアに長年在籍した経歴があり、約30年にわたり農業問題に関心を持ち、取材を深めてきた。現在は週刊エコノミストなどに記事を寄稿している。

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