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<傾斜マンション>名門・旭化成トップ陳謝「3000件調査急ぐ」

編集部
記者会見の冒頭に謝罪し、頭を下げる旭化成の浅野敏雄社長(手前から2人目)、旭化成建材の前田富弘社長(同3人目)ら=東京都千代田区で2015年10月20日
記者会見の冒頭に謝罪し、頭を下げる旭化成の浅野敏雄社長(手前から2人目)、旭化成建材の前田富弘社長(同3人目)ら=東京都千代田区で2015年10月20日

 横浜市都筑区の大型マンションが施工不良で傾いた問題で、基礎のくい打ち工事を担当した旭化成建材の前田富弘社長と、親会社・旭化成の浅野敏雄社長らが20日、東京都千代田区で記者会見を開いた。会見の途中、浅野社長が「申し訳ない」と言葉に詰まり、涙を流す場面があり、名門企業に起きた不祥事の深刻さを物語った。

2チームでくい打ち、問題は1チームだけ

 両社の説明や質疑応答によると、工事を担当した現場担当者に対し、延べ22時間にわたって聞き取り調査をした。現場担当者は「くいは支持層に到達したと思っていた」と繰り返し話していることを明らかにした。さらに、「くい打ち工事のデータの転用は認めている」とも説明した。

 実際には、くい6本が支持層に到達しておらず、2本が支持層への差し込みが不十分で、マンションが傾いていることが分かっている。また、70本のくい打ちのデータが改ざんされており、「現場担当者がうそを言っているのか、事実誤認によって起きたのかを確かめるため、70本のくいの現状を調べる」と、今後の方針を示した。その調査結果は年内にも出るという。

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長く経済分野を取材してきた川口雅浩・毎日新聞経済部前編集委員を編集長に、ベテラン・若手編集者が経済・社会の最新情勢を追います。
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