マンション・住宅最前線

<傾斜マンション>「青田売り」が抱える工期制限のワナ

櫻井幸雄・住宅ジャーナリスト
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マンション施工不良の背景(1)

 くい打ちの不備で横浜市のマンションが傾いた問題は、その原因が少しずつ明らかになってきた。そこで出てくる言葉が「工期の制限」というもの。工期をずらすことができないので、工事をやり直さず、データを改ざんした、という言い訳である。

 この言い訳、じつはこれまで出てきた施工不良の多くで使われてきた。さらに、「工事費用が少なくて」という言い訳も多い。「工期の制限」と「工事費用の不足」は、日本のマンション分譲が抱える構造的な問題によって生じたとみることができる。もっと分かりやすく言えば、「青田売りをするから生じがちな問題」である。

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櫻井幸雄

住宅ジャーナリスト

1954年生まれ。年間200物件以上の物件取材を行い、首都圏だけでなく全国の住宅事情に精通する。現場取材に裏打ちされた正確な市況分析、わかりやすい解説、文章のおもしろさで定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞、日刊ゲンダイで連載コラムを持ち、週刊ダイヤモンドでも定期的に住宅記事を執筆。テレビ出演も多い。近著は「不動産の法則」(ダイヤモンド社)。