マンション・住宅最前線

<傾斜マンション>「青田売り」で起きやすい質低下のリスク

櫻井幸雄・住宅ジャーナリスト
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マンション施工不良の背景(2)

 前回、日本で一般的なマンションの「青田売り」、つまり、完成前に販売する方式では、工事費用が不足しやすいと書いた。なぜなら、不動産市況が上昇しているときは、工事の途中で建設費も上昇するからだ。

 今よりも1年後、2年後のほうがマンション価格は上がるだろう……そう考えられる時期、建設費は上昇する。すると、1年、2年、場合によっては3年がかりで建設する大規模マンションは、工事の途中で工事費用や資材価格の上昇にみまわれる。当初予定していた総工事費用では、まかないきれなくなる可能性が出てくるのだ。

 しかし、元請けである建設会社は、建設が始まる時点で建設請負契約を結び、工事費用の総額も決めている。…

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櫻井幸雄

住宅ジャーナリスト

1954年生まれ。年間200物件以上の物件取材を行い、首都圏だけでなく全国の住宅事情に精通する。現場取材に裏打ちされた正確な市況分析、わかりやすい解説、文章のおもしろさで定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞、日刊ゲンダイで連載コラムを持ち、週刊ダイヤモンドでも定期的に住宅記事を執筆。テレビ出演も多い。近著は「不動産の法則」(ダイヤモンド社)。