
金立群・初代総裁にインタビュー
中国が主導して設立するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の初代総裁に就任する金立群氏が10月下旬、米ワシントンを訪問した。滞在中の講演では、中国の元政府高官らしからぬ軽妙な語り口で、世界銀行やアジア開発銀行(ADB)との連携をアピールして「協調」を演出する一方、毎日新聞のインタビューでは「日米が参加しなくても(AIIBに)心配はない」として「強気」ものぞかせた。
流ちょうに英語を操り、硬軟自在に存在感を示した金氏は、ライバルになるADB幹部さえ「優秀な国際人材」と認める存在。その発言から、中国の戦略を少しだけ垣間見たような気がした。
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清水憲司
毎日新聞経済部副部長(前ワシントン特派員)
1975年、宮城県生まれ。高校時代まで長野県で過ごし、東京大学文学部を卒業後、99年毎日新聞社に入社。前橋支局を経て、東京経済部で流通・商社、金融庁、財務省、日銀、エネルギー・東京電力などを担当した。2014~18年には北米総局(ワシントン)で、米国経済や企業動向のほか、通商問題などオバマ、トランプ両政権の経済政策を取材した。