
力を入れずとも滑るようにかみ合う刃に、引っかかることのない切れ味の鋭さが気持ちいい。手作り専門の石宏(いしひろ)製作所のはさみは、一度使ったらクセになる心地よさだ。
墨田区を代表する「国産手作りはさみ」
鏡のように磨かれた刃面にうっとりとしてしまう。幾度となく削り上げた刃は、研ぎ目が細かく刃先まで目がそろう。切り終えると、二つの刃は互いが吸い付くようにぴったりと納まる。
東京都墨田区の住宅街で、ひっそりと自宅兼工房を構える石宏製作所は、はさみ職人の石田明雄さん(47)が1人で切り盛りしている。父で先代の宏美さんが1970年に創業し、医療用はさみの製造を始めてからはさみ一筋だ。
この記事は有料記事です。
残り2052文字(全文2343文字)
投稿にはログインが必要です。
注目コンテンツ