「この人、この土地」だから生み出せる一品

スカイツリー開業晴れ舞台飾った墨田の裁ちばさみ

小高朋子・旅食ライター・カメラマン
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石宏製作所の裁ちばさみは、スカイツリー開業の際のテープカットでも使用された=2012年5月22日撮影
石宏製作所の裁ちばさみは、スカイツリー開業の際のテープカットでも使用された=2012年5月22日撮影

 力を入れずとも滑るようにかみ合う刃に、引っかかることのない切れ味の鋭さが気持ちいい。手作り専門の石宏(いしひろ)製作所のはさみは、一度使ったらクセになる心地よさだ。

墨田区を代表する「国産手作りはさみ」

 鏡のように磨かれた刃面にうっとりとしてしまう。幾度となく削り上げた刃は、研ぎ目が細かく刃先まで目がそろう。切り終えると、二つの刃は互いが吸い付くようにぴったりと納まる。

 東京都墨田区の住宅街で、ひっそりと自宅兼工房を構える石宏製作所は、はさみ職人の石田明雄さん(47)が1人で切り盛りしている。父で先代の宏美さんが1970年に創業し、医療用はさみの製造を始めてからはさみ一筋だ。

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小高朋子

旅食ライター・カメラマン

1982年、神奈川県生まれ。アパレル業界、映像製作会社を経て、フリーランスに。持続可能なモノづくりの可能性を求めて各地を巡り、地域の食文化、工芸品、産業などを取材し、写真、映像も用いてその魅力を紹介している。現在、農業者向けのビジネススクール(オンラインアグリビジネススクール)にかかわり、各地の農業現場の取材を担当。旅と、おいしい食べものと日本酒が何よりも好き。