東芝問題リポート

東芝・役員調査委報告の裏に潜む「室町体制」への不安

編集部
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東芝の不正会計問題を受けた「役員責任調査委員会」の報告書に、室町正志社長の名前は一つも出てこなかった=2015年7月21日、田中久雄前社長の辞任会見で、川村彰撮影
東芝の不正会計問題を受けた「役員責任調査委員会」の報告書に、室町正志社長の名前は一つも出てこなかった=2015年7月21日、田中久雄前社長の辞任会見で、川村彰撮影

 東芝は11月9日、旧経営陣による不正会計の責任を調べてきた「役員責任調査委員会」(委員長・大内捷司元札幌高裁長官)の報告書全文を公表した。東芝は報告書をもとに、西田厚聡(あつとし)氏、佐々木則夫氏ら歴代3社長を含む旧経営陣5人に対して3億円の損害賠償を請求する訴えを起こした。

 東芝の現経営陣は、提訴についての説明を広報担当に「丸投げ」したままだ。損害が10億円超なのになぜ請求額が3億円なのか、室町正志社長はなぜ訴訟の対象から除外されたのか。報告書には、現経営陣が説明できないことが書かれているのか。

 報告書は付属資料も含め、A4判で125ページ。「報告書の目的」、「事案及び調査検討結果」「東芝のガバナンス体制」「社内の意思決定の仕組み及び実態」といった章の流れで進む。調査対象者は2008年度から14年度第3四半期の間に取締役、執行役だった98人だ。

 インフラ関連案件や、パソコン部品取引に関わる「バイセル」案件といった、不正会計の舞台となった案件ごとに、「損害賠償請求を相当とする案件」を絞り込み、関与者の責任の有無を詳しく述べている。

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編集部

長く経済分野を取材してきた川口雅浩・毎日新聞経済部前編集委員を編集長に、ベテラン・若手編集者が経済・社会の最新情勢を追います。
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